松本トンネル有料道路

松本トンネル有料道路について

松本トンネル有料道路は、長野県松本市内に位置していた一般有料道路です。起点は松本市大字島内字平瀬川東、終点は同市大字岡田伊深字矢作にありました。長野県道路公社が管理しており、国道254号の終点付近に位置し、主要構造物として全長約2.4kmの松本トンネルと、その前後の取り付け道路で構成されていました。

この道路は、2020年9月1日に無料開放されました。また、長野県や県道路公社の資料では、三才山トンネル有料道路（松本区間）と表記されることもあります。

路線データ

路線名: 国道254号
延長: 6,602m
道路区分: 第3種第3級
事業費: 166億円
設計速度: 50km/h
幅員: 車道6.5m（完成2車線）
事業期間: 1988年12月 - 1994年12月
料金徴収期間: 1994年12月15日 - 2020年8月31日

建設の背景

1976年10月に三才山トンネル有料道路が開通した後、国道254号は同トンネルを経由し、洞交差点を南下、現在の県道惣社岡田線を通って浅間橋交差点を右折、県道浅間河添線に入り、国道143号と合流する美須々交差点が終点となっていました。

しかし、国道254号から松本市街地へ流入する車両が増加し、渋滞や周辺住民への影響が懸念されるようになりました。そのため、三才山トンネル有料道路から国道19号（塩尻方面）や国道147号（安曇野方面）へ向かう車両が、松本市街地を通過せずに移動できるように、松本トンネル有料道路が計画されました。

道路整備特別措置法に基づき、1988年から建設が開始され、6年後の1994年に有料道路として開通しました。松本トンネルは、三才山トンネル有料道路の延伸区間と位置づけられたため、松本トンネル有料道路の建設費（約166億円）を償還するために、三才山トンネルの料金徴収期間が当初の2006年10月から2021年6月まで延長されました。

利用状況と料金設定

しかし、普通車300円という料金は割高であり、旧道などを利用すれば迂回も容易であったため、交通量は想定の半分以下にとどまりました。2007年に国道147号高家バイパスが開通し、東信地方から安曇野へのアクセスルートとして利用価値が向上したことで、利用台数は2.5倍に増加しましたが、当初の見込み通行料収入との乖離を埋めるには至りませんでした。

長野県道路公社は、料金徴収の不調への対策として、道路環境改善事業を実施し、昼間（6時～22時）は全車両一律100円（軽車両は30円）、夜間（22時～翌6時）は全車両無料とする運用を行いました。これは年度ごとに更新され、実質的に通行料金の値下げが継続されました。

無料開放

2019年11月22日、長野県知事の会見で、三才山トンネル有料道路の一般道路化・無料化に伴い、松本トンネルも一般道路化・無料化する方針が示されました。そして、2020年9月1日、三才山トンネル有料道路と松本トンネル有料道路は同時に無料開放されました。

沿革

1994年12月15日: 開通
2020年9月1日: 無料開放

関連項目

中部地方の道路一覧
無料開放された道路一覧

外部リンク

長野県道路公社
松本トンネル有料道路（長野県道路公社サイト内）

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