松本白鸚 (2代目)

二代目松本白鸚

二代目松本白鸚（1942年8月19日生まれ）は、日本の伝統芸能である歌舞伎を継承する重要な役者であり、また日本舞踊や俳優としても活躍する多才な人物です。東京都出身で、本名は藤間昭曉。彼は家業の高麗屋を受け継ぎ、定紋は四つ花菱で、替紋は浮線蝶です。前名は九代目松本幸四郎であり、俳名として「錦升」を用いることもあります。

子供時代と教育

松本白鸚は1942年に五代目市川染五郎の長男として生まれ、1950年代には早くから歌舞伎の舞台に立ち始めました。1946年には3歳という若さで初舞台を飾り、その後も着実にキャリアを築いていきます。暁星中学校・高等学校を卒業した後は、早稲田大学の演劇専攻に進学しましたが、そこでの学びは短期間で終わりを迎えます。

歌舞伎界での活躍

歌舞伎界では、松本白鸚は高麗屋の伝統的な技術を引き継ぐだけでなく、外祖父の播磨屋の重厚な演目にも取り組んできました。特に『勧進帳』の武蔵坊弁慶役は、現役役者の中で1200回以上の出演記録を誇るほどで、その演技力は多くの観客から支持され続けています。また、特に時代物の主人公役への評価も高いです。

現代劇とミュージカル

松本白鸚は歌舞伎の枠を超え、現代劇やミュージカルでもその名を馳せています。ニューヨーク・ブロードウェイの『ラ・マンチャの男』やロンドン・ウエストエンドの『王様と私』で主演を務めるなど、国際的な舞台でもその才能を発揮しました。特に『ラ・マンチャの男』では、脚本家のワッサーマンの夫人からトニー賞のトロフィーを贈られています。

舞台芸能の創造者として

松本白鸚は演劇企画集団「シアター・ナインス」や歌舞伎企画集団「梨苑座」を設立し、舞台芸能に対する新しいアプローチを追求しています。また、彼は舞台演出家としても活動しており、九代琴松の名で多くの作品を手掛けています。テレビドラマでも多くの作品で主演を務め、幅広いジャンルで活躍する万能型の俳優です。

音楽活動と趣味

1967年には自ら作詞・作曲した『野バラ咲く路』を発表し、レコードもリリース。ギター演奏、絵画、競馬など多趣味でも知られています。

経歴と影響

松本白鸚は1969年に藤間紀子と結婚し、以降も数々の舞台作品や映像作品に出演。成人後の1981年には九代目松本幸四郎を襲名しました。また、数々の賞を受賞しており、文化功労者や文化勲章も受賞するなど、演劇界における彼の影響は計り知れません。

家族と伝承

彼の家族も俳優として活躍しており、松本紀保や松たか子などの著名な女優がいます。松本白鸚は、伝統的な歌舞伎の魅力を次世代に伝えるという重要な役割も担っています。彼のように多彩な才能を持つ役者は、歌舞伎界だけではなく、日本の演劇文化全体にとっても貴重な存在です。

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