松本雅男

松本 雅男（まつもと まさお）

松本雅男は、日本の会計学者として広く知られており、1904年7月16日に和歌山県伊都郡妙寺町で生まれました。彼は1922年に和歌山県立和歌山商業学校を卒業し、その後1925年に山口高等商業学校を卒業しました。卒業直後には歩兵第8連隊に入隊し、1931年には東京商科大学（現・一橋大学）の本科を卒業しました。

大学時代には、金融論を学び、井浦仙太郎ゼミに所属。本科の2年生の時に「戦時戦後におけるわが国為替相場変動の研究」の論文が評価され、鳳聚会二等上席に入選しました。卒業後は彦根高等商業学校で金融論の助教授としての職を得る予定でしたが、内容が自身の専門外であったため、辞任を考えるに至ったものの、最終的には会計学へと転向し、高瀬荘太郎のもとで学びました。

1932年には教授に昇進し、工業経営論を教えるようになります。1936年からの2年間は文部省派遣によりドイツ、イタリア、アメリカで留学。その中でもベルリン商科大学やフランクフルト大学で多くの教授からの講義を受け、管理会計に関する概念を発展させました。1961年には「標準原価計算の本質」という論文を一橋大学に提出し、商学博士号を取得。また同年、日本会計研究学会上野・太田賞を受賞しました。

1941年には東京商科大学予科の教授に就任しますが、1944年には体調不良により和歌山に戻り、和歌山連隊に入営。その後も様々な経緯を経て、1946年に招集解除されます。戦後には一橋大学の教授となり、1959年には管理会計講座を設立し、1963年には商学部附属産業経営研究施設の長を任されました。1968年には定年退官し、名誉教授の称号を得た後も、成蹊大学や国際商科大学においても教鞭を取っていました。

松本の業績は多岐にわたり、多くの優れた弟子たちを育てました。門下には岡本清や森清といった名教師が含まれています。彼は数々の著書を著し、1947年の『工業会計』や1964年の『管理会計概論』などは特に評価されています。また、多くの共編著や翻訳書も手掛け、会計学の分野において重要な役割を果たしました。

松本雅男の肖像は、彼の研究と教育活動が日本の会計学会に与えた影響を物語っており、彼の教えを受けた多くの学者たちが今日の会計学の発展に寄与しています。彼の業績は永遠に記憶され続けるでしょう。

もう一度検索