松枝尚嗣

松枝 尚嗣（まつえだ なおつぐ）は、日本の漫画界で活躍する漫画家です。1989年に「堀井覚司」というペンネームを用いて漫画家としての第一歩を踏み出し、その後、1997年からは現在の「松枝尚嗣」名義で創作活動を継続しています。そのキャリアを通じて、少年漫画から社会派作品、さらにはゲームのコミカライズやビジネス書の漫画化まで、幅広いジャンルに挑戦しています。

漫画家としての経歴は、1989年に遡ります。『月刊少年ジャンプ』誌上で「堀井覚司」名義でデビューを果たし、注目を集めました。初期の活動を経て、1997年にペンネームを「松枝尚嗣」に改め、新たなスタートを切ります。この名義変更を機に、彼の作品世界はさらに広がりを見せることになります。

松枝尚嗣名義での主な単行本作品としては、まず1990年代後半から2000年代にかけて発表された作品群が挙げられます。集英社からは『B-Dash』（1997年）、続編となる『B-DASH』（1998年）、人気ゲームシリーズをコミカライズした『ペルソナ 罪と罰』（2000年）が刊行されました。また、秋田書店からは『THE SPY'S FAMILY』（1996年）、小学館からは『FACTORY Z』（2003年）が世に送り出されています。

2010年代以降も彼の創作活動は続き、多様な出版社から作品を発表しています。PHP研究所からは社会派のテーマを扱った『コミック貧困大国アメリカ』（2010年）を刊行。同2010年には、集英社から早川光原作の『ダシマスター』で、食をテーマにした作品も手がけています。実業之日本社から『シバのヨル』（2012年）、アルファポリスから『時間島』（2013年）といったオリジナル作品も発表しています。

近年は、ビジネス書や自己啓発書の漫画化にも注力しており、活字のみでは難解に感じられる内容を漫画という分かりやすい表現で読者に届けています。『まんがでわかるライフアシスト』（2018年）、ベストセラー書籍を漫画化した『まんがでわかる 頭に来てもアホとは戦うな!』（2019年、朝日新聞出版）、キャリアに関するテーマを扱った『マンガ このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法』（2021年、ダイヤモンド社）など、多数の作品を手がけています。

単行本作品に加え、読切作品も発表しています。2007年には、『週刊少年チャンピオン』にて、人気ゲームシリーズを題材にした読切作品『バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ 崩壊への序曲』を前後編で掲載しました。この作品はスタジオサバイヴ監修、宮﨑克原作のもと、ゲームの世界観を見事に描き出しています。

松枝尚嗣は、その長きにわたるキャリアの中で、堀井覚司名義でのデビューから始まり、松枝尚嗣として活動の幅を広げ、オリジナル作品、他メディアのコミカライズ、ビジネス書の漫画化など、常に新しい表現に挑戦し続けている漫画家と言えるでしょう。

なお、関連人物として漫画家の坂口いく氏の名前が挙げられています。

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