松永義夫

松永義夫のプロフィール

松永義夫（まつなが よしお）は1929年生まれの日本の化学者で、北海道大学の名誉教授です。岐阜県に生まれ、東京大学理学部化学科を卒業後、数々の教育機関での教職を経て、化学分野において顕著な業績を残しました。

略歴

松永は1952年に東京大学理学部化学科を卒業し、その後1965年には北海道大学にて固体化学の講師及び助教授を務め、最終的には教授に昇進しました。1992年からは熊本大学の理学部で物理化学講座の教授として活動、1999年からは神奈川大学理学部の教授として教育に尽力しました。また、2001年から2015年の間は、日本化学会速報誌の製作顧問としても活躍しました。

研究の業績

松永の研究は、大学院修士課程在学中の1954年に行った実験に遡ります。この実験では、赤松秀雄、井口洋夫と共にペリレンにハロゲンを添加し、その時の磁性を調べました。結果、ペリレンの臭素錯体が非常に高い電気伝導度（8 Ω·cm）を示すことが確認され、これが有機半導体の開発につながる重要な発見とされています。

学術賞

彼はその業績により日本化学会賞を受賞し、「機能性分子錯体の物理化学」に関する貢献が評価されています。

著書

松永は多くの著書を執筆しており、主な著書には以下のものがあります：

• - 分子と結晶 (1975, 裳華房)
• - 物性化学 (1981, 裳華房)
• - 化学反応式 (1985, 共立出版)
• - 現代の物理化学 (1990, 三共出版)
• - 無機化学 (1993, 広川書店)
• - 入門 化学熱力学 (2001, 朝倉書店)

さらに共著にも力を入れており、「有機半導体」（1966）や「化学英語のスタイルガイド」（2006、朝倉書店）、および「化学英語［精選］文例辞典」（2015、朝倉書店）などがその代表的な著作です。

主要論文

松永の研究は多くの論文によって支えられており、いくつかの主要な論文として以下が挙げられます：

• - 炭素類の磁氣係數に関する研究
• - ペリレン-臭素複合体の電気伝導性に関する論文（Natureに掲載）
• - 有機半導体に関する複数の研究

彼の研究は化学界や材料科学に多大な影響を与えており、新しい材料の開発に寄与しています。松永義夫の貢献は、化学者としてのキャリアを通して、学問の発展のみならず、教育界にも影響を与え続けています。彼の業績は、次世代の研究者にとって貴重な参考となり、化学分野の進展に寄与することでしょう。

まとめ

松永義夫は、ペリレンに関する重要な研究を通じて有機半導体の発展に寄与した著名な化学者であり、教育と研究の両方で顕著な業績を残す存在です。その影響は多岐にわたるだけでなく、今後の化学研究や教育にも長く燦然と輝き続けることでしょう。

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