松福町

松福町（まつふくちょう）

香川県高松市中心部の北東約1.5kmに位置する町丁です。郵便番号は760-0067で、町域の全域で住居表示が実施されており、一丁目と二丁目からなります。

地理

松福町は、北を市道片原町沖松島線、東を県道157号高松東港線、南をことでん志度線の鉄道敷、西を杣場川によって区切られています。町域は一丁目と二丁目に分かれており、一丁目には讃州製紙本社工場が、二丁目には高松刑務所がそれぞれ広大な敷地を占めています。幹線道路沿いには地域住民向けの商業施設が見られますが、それ以外の場所には中小規模の町工場が点在し、一戸建て住宅やアパートといった低層の住居が多く集まっています。

町域の大部分は標高1.0メートル以下の低地であり、海抜ゼロメートル地帯も部分的に存在します。この地形的な特性から、水害のリスクがあります。特に2004年（平成16年）8月下旬に四国地方を通過した台風16号では、記録的な高潮が発生し、この地域も広範囲で床上浸水に見舞われ、長期間にわたり水が引かない場所があるなど、甚大な物的被害を受けました。隣接する町では、この災害により犠牲者も出ています。

町内を流れる河川としては、西側の境界を形成する杣場川があります。

人口と社会

2010年の国勢調査によると、松福町の人口は2,586人（男性1,706人、女性880人）で、世帯数は977世帯でした。町域の面積は31万6,665.80平方メートル、人口密度は1平方キロメートルあたり8,166.3人です。人口の男女比は男性が女性の約2倍となっており、これは町内に工場が多く立地していることと関連し、労働者の住宅地としての性格が強いことを示唆しています。

教育に関しては、町域全域が高松市立高松第一小学校および高松第一中学校（小中一貫校）の校区に属しています。

都市計画

都市計画法に基づく用途地域は、町域によって異なります。二丁目の全域は準工業地域、一丁目のうち市道松島町7号線より東側は工業地域に指定されています。これらの区域では、容積率が200パーセント、建ぺい率が60パーセントに定められています。一方、一丁目の市道松島町7号線より西側は近隣商業地域となっており、容積率は300パーセント、建ぺい率は80パーセントです。

歴史

現在の松福町にあたる地域は、元々は北側が福岡町、南側が松島町の一部であり、その境界線は複雑に入り組んでいました。1964年（昭和39年）に、幹線道路によって区切られたこれらの区域が分離され、松島町と福岡町のそれぞれの頭文字を取って「松福町」として新たに設置されました。この際に大部分で住居表示も実施されています。

古くこの一帯は海域でしたが、江戸時代の寛文7年（1667年）に松島から西潟元にかけて堤防が築かれたことで干拓が進み、志度街道（現在の市道松島町8号線）より北側の地域が稲田として利用されるようになりました。これ以降、もともと福岡と呼ばれていた地域は福岡上（現在の上福岡町）、干拓によってできた新しい土地は福岡下と呼ばれるようになります。

明治23年（1890年）2月15日、自然村であった香川郡東浜村と福岡下村の区域をもって町村制が施行され、新たに東浜村が誕生しました。この時、現在の松福町にあたる区域は大字福岡下と大字東浜の境に位置していました。明治31年（1898年）には、高松刑務所が高松城の西の丸からこの地に移転してきました。大正10年（1921年）1月1日には東浜村が高松市に合併され、大字福岡下の区域には福岡町、大字東浜の区域には松島町など3つの町が新設されます。

昭和20年（1945年）7月4日未明に行われた高松空襲では、町域の西部と高松刑務所が被災しました。戦後、高松市中心部の大部分で戦災復興土地区画整理事業が実施されましたが、松福町の区域は直接の対象にはなりませんでした。しかし、代わりに市主導による松島土地区画整理事業が進められ、現在の市道朝日町仏生山線や市道片原町沖松島線を始めとする幹線道路などが新設・拡幅され、町の骨格が形成されました。この区画整理事業の完了は、1969年（昭和44年）4月30日の換地処分をもってなされています。前述の通り、この区画整理事業の途上である1964年に松福町が新設され、住居表示が実施されました。

主要施設

讃州製紙本社工場
高松刑務所

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