松風 (京都府)

株式会社松風（しょうふう）

株式会社松風は、京都府京都市東山区に本社を構える日本の企業です。主な事業内容は、歯科医院や歯科技工所といった歯科医療関連施設で使用される各種器材の製造と販売です。大正時代に創業して以来、歯科材料に関する専門技術を培ってきました。近年では、その技術力を応用し、ネイルケア関連製品の分野にも事業を展開しています。

沿革

同社の歴史は、1922年5月に「松風陶歯製造株式会社」が設立されたことから始まります。創業者である三代目の松風嘉定氏によって立ち上げられ、歯科医療に不可欠な材料の国産化を目指しました。

企業規模の拡大とともに、より広範な資金調達や信用力強化のために株式の公開が行われました。1963年には、日本証券業協会大阪地区協会に株式を店頭登録しています。

事業の多角化や時代のニーズに応える形で、1983年には現在の社名である「株式会社松風」に改称されました。

さらなる企業成長のため、証券取引所への上場を目指しました。1989年11月9日には、大阪証券取引所市場第二部および当時存在した京都証券取引所に株式を上場し、公開企業としての責任と信頼を高めました。その後、主要市場である東京証券取引所にも進出し、2007年2月15日には同取引所の市場第二部に上場を果たしています。

経営戦略の一環として、関連分野への展開も積極的に行っています。2008年には、ネイルケア用品の販売を手がけるネイルラボ（東京都）を子会社化し、新たな市場への参入を果たしました。

証券市場の再編や戦略的な判断から、2009年6月30日には大阪証券取引所での上場を廃止しました。一方で、同2009年には三井化学株式会社およびサンメディカル株式会社と資本提携を結び、主要な化学メーカーや医療材料メーカーとの連携を強化しています。

継続的な企業価値向上への取り組みが評価され、2012年3月29日には東京証券取引所市場第一部へ市場が変更されました。現在、同社は市場再編後の東京証券取引所プライム市場に上場しています。

事業内容と主な製品

株式会社松風は、歯科治療や歯科技工において使用される多岐にわたる歯科器材を提供しています。その製品ラインナップは、治療から技工、予防に至るまで、歯科医療の幅広い領域をカバーしています。主な製品カテゴリーは以下の通りです。

陶材: 審美性の高い歯の修復物に使用されるセラミック材料。
歯科用金属: 修復物や補綴物の製作に用いられる合金材料。
人工歯: 義歯やブリッジなどで失われた歯を補う人工的な歯。
レジン: 歯科用プラスチック材料として、充填や補綴、義歯床などに利用されます。
セメント: 歯科修復物などを歯に固定するための接着・合着材。
印象材: 患者の歯型や口腔内の形状を正確に採取する材料。
石膏: 印象材で採られた型から、技工用の模型を作成する材料。
研磨用材料: 歯や歯科材料の表面を滑らかに仕上げるための材料。
歯科用器具・工作機械: 歯科医師や歯科技工士が専門業務で使用する器具や機器。
ホワイトニング剤: 歯の漂白に使用される薬剤。
歯科矯正用製品: 歯列矯正治療に使用される材料や装置。

また、歯科材料で培った精密な製造技術を活かし、近年ではネイルケア用の材料製造販売も行っており、事業領域の拡大にも取り組んでいます。

関連情報

関連項目: 五龍閣、永末書店
* 外部リンク: 株式会社松風公式サイト

歯科医療の発展を材料面から支え続けてきた長い歴史を持つ企業であり、時代の変化に対応しながら新たな分野への挑戦も続けています。

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