枕崎駅

枕崎駅の概要

枕崎駅（まくらざきえき）は、鹿児島県枕崎市東本町に位置し、九州旅客鉄道（JR九州）の指宿枕崎線の終点です。この駅は日本最南端に位置し、「本土最南端の始発・終着駅」として知られています。駅にはその記念碑が設置されており、観光客や鉄道ファンにとって人気のスポットです。また、夜間滞泊設定駅としても機能しており、訪れる人々にとって利便性があります。

駅の歴史

枕崎駅は1931年に南薩鉄道の駅として開業し、これまで長い歴史を持ってきました。開業当初から多くの旅客に利用され、1949年には駅舎が再建されました。その後、1963年には国鉄指宿枕崎線が延伸し、2つの路線が共用の駅となりました。しかし、1984年には鹿児島交通の枕崎線が廃止され、国鉄の単独駅としての運営を始めました。

1987年には国鉄の分割民営化により、JR九州の駅となりましたが、長い間駅舎は存在せず、国鉄の社員が配置されずに鹿児島交通のバス部門の職員が対応していました。2006年には駅舎の解体が行われ、指宿寄りに約100メートル移設されました。この移設に伴い、駅舎跡地には地元スーパーマーケットが建設されましたが、移設後もしばらくは駅舎がありませんでした。しかし、市民の寄付により2013年に新たな駅舎が完成しました。この駅舎は、そのデザインが評価され、同年にグッドデザイン賞を受賞しました。

駅の構造

現在の枕崎駅は単式ホーム1面1線を持つ地上駅で、無人駅として運営されています。駅舎内には山幸彦の像とともに、外にはかつお節行商の像が設置されています。乗車券は券売機がないため、乗車時には整理券を取り、下車時に精算する形式が取られています。また、駅の周辺には観光案内所やバス乗り場が整備されており、観光客にとって便利です。

利用状況と周辺の景観

2015年度のデータによると、枕崎駅の1日平均乗車人員は25人と少数ですが、地元住民に親しまれています。駅の近くには片平山公園や文化資料センター南溟館、枕崎市役所、枕崎市立病院、そして枕崎漁港など、様々な施設があります。特に、駅前には鹿児島交通のバス乗り場があり、周辺地域へのアクセスも容易です。

エピソード

枕崎駅は、日本国内で最南端の終着駅として紀行文やテレビ番組など多くのメディアで取り上げられ印象深い存在となっています。著名な紀行文『最長片道切符の旅』にも登場し、観光の名所としての役割を果たしています。さらに、NHKのテレビ番組『列島縦断 鉄道乗りつくしの旅』の始発駅としても紹介され、多くの人々にその名を知られています。

まとめ

枕崎駅は、その歴史的背景や美しい地域環境だけでなく、観光地としての魅力も兼ね備えています。市民の支えを受けながら、今もなお活動を続け、観光名所としての価値を高めています。鹿児島を訪れた際には、ぜひ立ち寄りたい場所の一つです。

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