指宿枕崎線

指宿枕崎線の概要

指宿枕崎線は鹿児島県の鹿児島中央駅から枕崎市の枕崎駅までを結ぶ鉄道路線で、九州旅客鉄道（JR九州）が運営しています。この路線は、JRグループの中で最も南を走る路線であり、観光スポットや日常の通勤・通学に利用される重要な交通手段となっています。

路線データ

• - 沿線距離: 87.8 km
• - 駅数: 36（起点の鹿児島中央駅を除くと35駅）
• - 軌間: 1,067 mm（標準軌）
• - 運行方式: 単線・非電化
• - 閉塞方式: 特殊自動閉塞式

さらに、最高速度は85 km/hで、全線が鹿児島支社の管轄に属しています。鹿児島中央駅から喜入駅までの区間ではIC乗車カード「SUGOCA」の利用が可能で、鹿児島中央駅 - 西頴娃駅間においては列車位置情報システム「どれどれ」が稼働しています。

利用状況

利用者数は一定の人気を誇るものの、区間によっては平均通過人員が2,000人/日未満の区間も存在し、その収支は課題となっています。

沿線の魅力

この路線は、鹿児島市内の商業・住宅地帯を通過し、続いて住宅地や田畑が広がる風景が広がります。特に平川駅から宮ケ浜駅あたりまでの区間では、鹿児島湾の海岸線沿いを走り、対岸に広がる桜島や大隅半島の絶景を楽しむことができます。

指宿駅周辺では内陸に少し進むものの、山川駅を過ぎると再び海岸沿いの景観が楽しめます。開聞岳をはじめ、周囲の自然や農業の風景が調和した美しい車窓を望むことができるため、観光客にも好評です。

運行形態

指宿枕崎線では、多くの普通列車や快速列車が運行されており、多くはワンマン運転を実施しています。朝の時間帯には一部車掌が乗務する列車もあります。また、平日には鹿児島本線と直通する列車も運行されています。

運行は、鹿児島中央駅 - 喜入駅間で15分から40分の間隔で行われ、喜入駅 - 指宿駅・山川駅間ではおおむね1時間ごとの運行です。特に、指宿駅から枕崎駅間は運行本数が限られており、無人駅が多いため、時間帯によっては列車がない場合もあります。

特急「指宿のたまて箱」と快速「なのはな」

この路線では、観光利用を目的とした特急「指宿のたまて箱」が鹿児島中央駅 - 指宿駅間を運行しており、快速「なのはな」が鹿児島中央駅 - 山川駅間で運行されています。「指宿のたまて箱」に使用される車両は、キハ47・キハ140系の改造車で、観光客に人気があります。これらの特急と快速列車は、景観を重視した運行が行われ、乗客にとって快適な旅を提供しています。

歴史

指宿枕崎線は、1930年12月7日に開業し、以来多くの変更と拡張を経てきました。2011年には観光特急「指宿のたまて箱」が新設され、地域の交通機関としても重要な役割を果たしています。近年では、大雨による運転見合わせや代行バス運行などもありましたが、地域として安全対策や復旧作業に努めています。

指宿枕崎線は、鹿児島の自然や地域を体感できる大切な路線であり、観光利用や地元住民にとって欠かせない交通手段となっているのです。

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