林厚徳

林厚徳（はやし あつのり）は、文政11年5月5日（1828年6月16日）に生まれ、明治23年（1890年）3月2日に没した、徳島藩出身の人物です。通称は栄次郎といい、妹のたかは新居水竹の後妻となりました。その功績から、正五位・勲五等に叙されています。

幕末の藩士として

嘉永元年（1848年）には、早くも作事奉行という役職に就いています。その後、奥小姓、地方代官、京都邸留守居役などを歴任し、藩政に深く関わりました。この時期の経験が、後の明治政府での活躍の礎となったと考えられます。

明治維新後の活躍

明治維新後、林厚徳は井上高格、日比野克巳らと共に尊王派として新政府に参画しました。民部官権判事、民部権大丞、大蔵権大丞といった要職を歴任し、その後、金沢県大参事、太政官五等出仕、大蔵省五等出仕、額田県権令、浜松県令などを務め、地方行政に手腕を発揮しました。これらの地方官としての経験は、東京市区長としての活動にも活かされたことでしょう。

東京市区長として

明治16年（1883年）には東京市京橋区長に就任し、明治22年（1889年）には同市深川区長を兼務しました。東京という近代都市の区長として、都市計画や住民サービスなど、多岐にわたる課題に取り組んだと考えられます。当時の東京は、急速な近代化が進む一方で、様々な社会問題も抱えていました。林厚徳は、これらの問題にどのように向き合い、解決に導いたのでしょうか。

栄典

明治22年（1889年）12月28日には、勲五等瑞宝章を授与されました。これは、彼の長年の功績が認められた証と言えるでしょう。

林厚徳は、幕末の動乱期から明治の近代化を経験し、地方行政から東京の区長まで、幅広い分野で活躍した人物です。その生涯は、日本の近代化の過程を体現していると言えるでしょう。

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