額田県

額田県について

額田県（読み: ぬかたけん）は、明治4年（1871年）に設置された県であり、三河国及び尾張国南部の一帯を管轄していました。この県は、愛知県の東部に位置し、設立からわずか1年の間に廃止されました。

沿革

額田県の設立は、明治4年11月15日（旧暦で言うと12月26日）に行われました。この日、政府は第1次府県統合を実施し、三河国のさまざまな県、すなわち田原県、豊橋県、半原県、西大平県、岡崎県、挙母県、西尾県、西端県、刈谷県、重原県が統合され、額田県として再編されました。また、名古屋県より尾張国知多郡の一部も移管されました。県の庁舎は、額田郡岡崎康生町（現在の岡崎市康生町561）に位置していた岡崎城に設置されました。

その後の動きとして、11月20日（旧暦で言うと12月31日）には、同日に廃止された伊那県の中の足助庁が管理していた三河国の地域を編入しました。

明治5年11月27日（1872年12月27日）には、額田県は愛知県に合併され、この日をもって額田県は廃止されました。

管轄区域

額田県が管轄していたのは主に三河国の全域と、尾張国の知多郡でした。太政官布告においては、他にもいくつかの県の飛地がこの県の管轄に含まれるとされていますが、実際の府県再編の日付との関連から、必ずしも全てが当てはまっているわけではありません。額田県の管轄とされた地域には、以下のような場所が含まれていました：

• - 美作国久米北条郡（旧挙母県）
• - 相模国高座郡（旧西大平県）
• - 上総国武射郡、下総国匝瑳郡・香取郡、伊豆国田方郡・賀茂郡、上野国新田郡・邑楽郡、下野国安蘇郡、武蔵国多摩郡（旧西端県）
• - 越前国丹生郡・南条郡・坂井郡、安房国平郡（旧西尾県）
• - 武蔵国榛沢郡、摂津国豊島郡・川辺郡・能勢郡・有馬郡、丹波国何鹿郡（旧半原県）
• - 近江国浅井郡・伊香郡・高島郡、上総国望陀郡（旧豊橋県）

歴代知事

額田県の知事には、設立から最初の廃止までの期間に権令として林厚徳氏が就任していました。林氏は元々德島藩に属していた士族です。

関連項目

額田県は、その短命の歴史を持つ一方で、現代においても愛知県の地域区分や行事に影響を与えています。例えば、全国高等学校野球選手権愛知大会では、約10年ごとに東愛知大会としての区分が行われ、この地域の広がりはかつての額田県の管轄に大きく関係しています。額田県の歴史を通じて、愛知県及びその周辺地域の発展が見て取れます。

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