林口線

林口線（りんこうせん）とは

林口線は、台湾鉄路管理局が運営していた鉄道路線で、桃園市の桃園駅と新北市林口区の林口駅を結んでいました。全長18.4kmの単線非電化路線で、桃林鉄路（とうりんてつろ）という別名も持っています。

貨物線としての始まり

1968年1月1日に、林口火力発電所への石炭輸送を目的とした貨物線として開通しました。そのため、林口区の中心部から離れた場所に線路が敷設されています。途中には、製油所やセメント工場への専用線もありましたが、現在ではほとんど使われていません。

旅客輸送への転換

1970年代後半から周辺地域の宅地化が進み、道路の混雑が深刻化しました。そこで、地域住民から林口線の旅客化を求める声が高まりました。その結果、2005年10月28日から、桃園駅 - 海湖駅間の15.6kmで試験的に旅客営業が開始されました。この旅客営業は、平日のみ1日2往復で、運賃は無料でした。

旅客輸送は地域住民の通勤・通学の足として好評でしたが、発電所の石炭輸送への影響を考慮し、増発は難しい状況でした。しかし、石炭輸送が台北港経由の海運に切り替われば、増発や線路の改良が可能になると期待されていました。

駅の特殊な構造

桃林鉄路の桃園駅は、縦貫線の桃園駅とは異なり、駅前横の駐車場内に専用のプラットホームが設置されていました。また、出入口が車道と共有されていたため、利用の際には自動車の出入りに注意する必要がありました。

空港アクセス線としての計画

林口線は台湾桃園国際空港の近くを走っていたため、空港アクセス線とする計画も存在しました。しかし、路線の規格が低く、空港アクセス線としては使用に耐えないため、この計画は見送られました。空港アクセス線については、2013年に開業した桃園機場捷運が担うことになりました。

営業休止とその後

2012年12月末、桃園駅周辺の高架化事業の開始に伴い、林口線は営業を休止しました。旅客営業は2012年12月28日に、貨物営業は2012年12月31日に終了しました。

その後、線路跡は遊歩道や自転車道に転換され、桃園区内は2018年10月に、蘆竹区内は2020年8月に完成しました。

林口線の歴史

1968年1月1日：貨物線として開通。
2005年10月27日：桃園 - 長興間で旅客列車1日2往復運行開始（正式開業は翌日）。
2009年8月10日：長興 - 海湖間で旅客列車の運行開始。
2012年12月28日：桃園駅高架化事業開始に伴い、最終列車運行、旅客営業休止。
2012年12月31日：最後の貨物列車が運行され、貨物営業休止。

運行形態

林口線は、日本の在来線と同じ1067mmの狭軌を採用していました。区間車が1日2往復運行されていました。

使用車両

区間車：DR1000型気動車
過去の使用車両：DR2700型気動車、DR2510型気動車

駅一覧

※所在地は廃止当時のものです。

その他

土日祝日は運休。
運賃は無料。

脚注

関連項目

台湾の鉄道

外部リンク

桃園県政府
桃林鐵路客運列車 - ウェイバックマシン
Taolin Railroad - ウェイバックマシン
台湾鉄路管理局
世外桃園林口線(桃林鐵路) - ウェイバックマシン
桃園市政府（書籍）
* 109年度桃林鐵路文資調查編輯成果-上冊

もう一度検索