林家染三

林家染三

林家染三（はやしや そめぞう）は、上方落語における名跡の一つであり、その歴史は幕末にまで遡ります。現在、三代目林家染三（本名：秋山三郎）をもってその名が知られています。

各代の林家染三

初代 林家染三

初代については、詳細な情報がほとんど残されていません。

二代目 林家染三

二代目 林家染三（1890年 - 1944年8月12日）
本名：則包 長太郎

経歴

1912年に二代目林家染丸に入門し、染三を名乗りました。その後、師匠と袂を分かち大八会に参加。10年近く二流の寄席で修行を重ね、同会派の幹部にまで上り詰めました。大正末期には吉本興業に招かれ、若手の勉強会「民衆落語研究会」や「花月ピクニック」の同人として活動しましたが、1929年に吉本の経営方針に反発し脱退。フリーとしてラジオなどに出演しました。戦時中は、五代目笑福亭松鶴率いる「楽語荘」の同人として活動を共にし、一時、三代目桂梅枝の養子になっていた時期もありました。

芸風

線が太く、素直で荒削りな芸風と評されました。得意ネタは「片袖」「志ん猫」など。

弟子

流行亭歌麿（後に漫才師に転向）を育てました。

三代目 林家染三

三代目 林家染三（1926年10月8日 - 2012年6月12日）
本名：秋山 三郎

経歴

海軍第十四期甲予科練出身という異色の経歴を持ちます。落語家になる前はアコーディオンを学んでいました。1958年6月に贔屓筋であった三代目林家染丸に入門し染蔵を名乗り、後に染三と改名。1960年に千日劇場で初舞台を踏みました。その後、「上方落語総合研究会」（関西落語文芸協会の前身）を弟子たちと共に発足させました。当時、上方落語協会会長であった六代目笑福亭松鶴との確執から協会を脱退し、関西落語文芸協会を設立。落語活動の傍ら、江戸時代の噺本の復刻にも尽力しました。2000年頃まで西成区の「てんのじ村」で落語教室を開設し、後進の育成に努めましたが、晩年は体調不良のため活動を控えていました。2012年6月12日、肺炎のため85歳で死去。

弟子

多くの弟子を育成しましたが、その多くは染三が開いた落語教室の門下生であり、セミプロのような存在でした。他門下へ移籍したり、漫才など別の道に進んだ者も多く、現在も染三の弟子として活動しているのは林家三笑のみです。

林家三六 - 岡八郎門下となり漫才師に転向
林家三喜 - 岡八郎門下となり漫才師に転向
林家じゅん - 女性
初代林家レモン - 元ミス日本のミス着物
二代目林家レモン
林家リボン
林家さん馬 - 漫才師に転向
林家さん生 - 五代目桂文枝門下に移籍
林家さん二 - 二代目露の五郎兵衛門下に移籍
林家大染 - 上岡龍太郎門下で漫談家に転向
林家三太
林家三笑 - 林家流どじょうすくい家元
* 林家染之助


三代目林家染三は、上方落語の普及と後進の育成に大きく貢献した人物として、その功績は永く記憶されることでしょう。

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