千日劇場

千日劇場の歴史とその魅力

千日劇場（せんにちげきじょう）は、大阪府大阪市南区（現在は中央区）千日前に位置していた劇場です。この劇場は1958年12月1日に開場し、1969年4月30日までの間、大衆芸能や技芸を中心に数多くの上演を行いました。通称「千劇」、または「千日ホール」と呼ばれ、関西のエンターテインメントシーンにおいて重要な役割を果たしていました。

概要

千日劇場は千日デパートの6階にありました。このビルは、直営ストアおよび専門店街からなる複合商業施設としても知られています。劇場は、デパートが定休日でも営業を続けており、特に毎週水曜日には立て看板を設置して客を誘導しました。下座（寄席囃子）は林家とみが一貫して担当していました。

沿革

千日劇場の元々の建物は、大阪歌舞伎座（旧・大阪楽天地）の改装によって誕生しました。このフロアは、戦前にはアイススケート場として使用され、戦後には特殊慰安所へと転用されていました。その後、劇場は「歌舞伎会館」と名付けられ、軽演劇の「曾我廼家五郎劇」が上演されていました。

劇場は、1958年に千日デパートの開店とともに「千日劇場」と改称され、演芸や「お笑い人生劇団」が主体のプログラムが展開されましたが、人気が低迷しました。これにより、人生劇団が不評となり、作品内容は「センニチコメディ」に変更されました。劇場は、松竹芸能や吉本興業から亡くなった流れで次第に客足が鈍くなり、1969年に閉鎖に追い込まれました。

エピソードと出演者

この劇場には数多くの有名芸人が出演していました。漫才では、芦乃家雁玉や鳳啓助、京唄子、いわゆる「タイヘイトリオ」などが名を連ね、落語においては3代目桂米朝や笑福亭枝鶴らが登場していました。さらに浪曲や曲芸、演劇、音楽ショウまで多岐にわたるプログラムが展開され、多彩なエンターテイメントを提供しました。

特に、当時の関西テレビとの連携で放送された舞台中継番組『お笑いとんち袋』は、多くの視聴者に支持され、千日劇場の知名度を向上させました。入場にはゲームセンターを経由する必要があったため、一部の芸人は「ゲームセンターを抜けるとそこは演芸場だった」と洒落を用いて語ることもありました。

閉場とその後

千日劇場は、1969年4月30日に閉鎖となり、その後の店舗も改装される中で、劇場エリアは様々な業態に変化しました。特に、火災の影響でデパートが営業休止となり、そのまま8年間も放置され、1981年に解体される運命を迎えました。

跡地には1984年に新商業ビル「エスカールビル」が開業し、以降はビックカメラ大阪なんば店が入居するなど、その後の発展も続いています。千日劇場は、関西のエンターテインメント文化の一端を担い、今なお多くのファンの記憶に残る存在です。

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