林家正雀

林家 正雀（はやしや しょうじゃく）

林家正雀は、山梨県大月市出身の落語家で、1951年12月25日に生まれました。本名は井上茂であり、落語協会に所属している落語家です。彼の出囃子は『都風流』という曲で、演目の多様性と独自のスタイルで知られています。

経歴

高校時代から落語家を目指し、進学か弟子入りかを悩みながら、六代目三遊亭圓生のもとに弟子入りを希望しましたが断られました。その後、日本大学文理学部国文学科に進学し、落語研究会に入部。1974年2月に八代目林家正蔵に入門し、前座名は「茂蔵」。その後、名前は「繁蔵」に変更されました。1978年9月には柳家〆治や古今亭菊弥や立川談之助と共に二ツ目に昇進し、「正雀」と改名します。

1982年、師匠である八代目林家正蔵が亡くなり、当時の兄弟子である林家上蔵と共に二代目橘家文蔵の一門に移籍。その後、1983年には柳家小里んや蝶花楼花蝶、林家源平とともに真打昇進を果たしました。この昇進は、兄弟子である上蔵や時蔵を超えての出来事でした。

演目

林家正雀の演目は幅広く、師匠の彦六から受け継いだ怪談噺や芝居噺、さらに古典・新作まで多彩に展開されています。古典作品に加え、自作の落語もあり、リスナーを楽しませています。代表的な演目には以下のものがあります：

• - 古典の怪談噺
• - 廓噺
• - 新作落語からは「皿留」や「鬼斬丸」や「笠と赤い風車」（作：平岩弓枝）など。

また、他作では、「一文笛」（作：三代目桂米朝）や「男の花道」などもあり、特に注目すべき作品です。

人物

林家正雀は、五代目円楽一門会の両国寄席にも賛助出演し、落語界での活動が広がっています。趣味は歌舞伎観賞であり、落語家としての芸の幅を広げるための観察力を養っています。また、彦六一門の特製料理である「林家の牛めし」のレシピを受け継ぎ、落語会に訪れるお客様に振る舞うことがあります。さらに、同郷の三遊亭小遊三は高校の先輩であり、友情関係も築いています。

逸話と受賞

彼は「開運なんでも鑑定団」に出演した際も話題を呼びました。棟方志功の弁才天像を出品しましたが、本人がつけた評価額は100万円でしたが、実際には偽物と判明し1000円という評価でした。2004年5月には国立演芸場で「名人小団次」を演じ、ここで宙乗りというパフォーマンスを披露し、観客を魅了しました。

彼の才能は多くの賞として評価されており、1979年には第8回NHK新人落語コンクールで最優秀賞を受賞し、1987年と1992年には文化庁芸術祭賞を受賞。また、1996年には芸術選奨新人賞大衆芸能部門を獲得しています。

出演と著書

林家正雀は、インターネットでの活動も行っており、お台場寄席DOUGA（フジテレビの無料動画サイト）に出演した実績もあります。著書も豊富で、以下のような作品があります：

• - 正雀 芝居ばなし（1993年）
• - 怪談ばなし傑作選（1995年）
• - 師匠の懐中時計（2000年）
• - 増補 師匠の懐中時計（2003年）
• - 彦六覚え帖（2012年）

弟子たち

現在、林家正雀の弟子には、真打として林家彦丸、二ツ目として林家彦三がいます。

林家正雀は、その独自のスタイルや多彩な演目で多くのファンを魅了し続けている、現代落語界の重鎮と言える存在です。

もう一度検索