林爽文

林爽文の生涯と反乱

林爽文（生年不詳 - 1788年）は、中国福建省漳州平和の出身で、1773年に父と共に台湾へ渡り、彰化県大里杙荘（現在の台中市大里区）に移住しました。1784年には秘密結社である天地会に参加し、その指導者として頭角を現しました。

1787年1月、台湾知府の孫景燧が天地会に対する取締りを強化したことを契機に、林爽文は武力蜂起を決意しました。彼は軍勢を率いて彰化を攻撃し、県庁を占拠すると、自ら「盟主大元帥」を名乗りました。この反乱は瞬く間に拡大し、北部では王作や李同らが呼応して淡水同知を殺害、新竹の竹塹城を攻撃し「順天」を号しました。さらに、鳳山の天地会指導者である荘大田も決起し、わずか1ヶ月で台湾府を除く清朝の官衙は、林爽文率いる天地会の支配下となりました。

清朝は事態を重く見て、陝甘総督大学士福康安と参賛大臣海蘭察を派遣し、征伐軍を組織しました。11月、福康安率いる大軍が鹿港に上陸し、八卦山で激戦が繰り広げられました。福康安は彰化や嘉義などを次々と奪還し、林爽文は集集、水沙連（現在の南投県魚池郷）を拠点に抵抗を続けました。翌年1月、福康安は原住民の協力を得て老衢崎（現在の苗栗県竹南鎮一帯）で林爽文を捕縛し、反乱はようやく鎮圧されました。この反乱の鎮圧には、清朝は10万以上の大軍と1年4ヶ月もの期間を費やしました。

捕らえられた林爽文は、北京に送られ、凌遅刑（非常に残酷な処刑方法）に処せられました。彼の反乱は悲劇的な結末を迎えましたが、台湾の歴史に大きな爪痕を残しました。

林爽文の反乱の影響

林爽文の反乱鎮圧に貢献した諸羅は、その功績を称え「義」挙を「嘉」するという意味を込めて「嘉義」と改名されました。また、台中以南の地域は、教「化」を顕「彰」するという意味で「彰化」と名付けられました。これらの地名は、現代まで受け継がれています。

この事件は「林爽文事件」として知られ、台湾の歴史において重要な出来事として認識されています。また、林爽文が属していた天地会は、清朝への反抗を目的とした秘密結社として、その後の歴史にも影響を与えました。

関連項目

林爽文事件
天地会
* 爽文市

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