林英哲

林英哲（はやし えいてつ）

日本の和太鼓奏者、作曲家として世界的に活躍する林英哲氏。その創造性豊かな音楽性と、エネルギッシュな演奏は、多くの人々を魅了し続けています。

生い立ちと音楽との出会い

1952年、広島県庄原市東城町で、真言宗の寺院に8人兄弟の末っ子として生まれました。高校卒業後、美大を目指して上京。しかし、翌年に「佐渡・鬼太鼓座」の創設メンバーに誘われたことをきっかけに、和太鼓の世界へと足を踏み入れます。

鬼太鼓座、鼓童での活動

鬼太鼓座では、伝統的な和太鼓の奏法を学びながら、新たな音楽表現を追求。その後、「鼓童」の創設にも深く関わり、11年間、グループの中心メンバーとして活躍しました。この時期に、国内外での公演を通じて、和太鼓の可能性を広げ、世界的な評価を確立しました。

ソロ奏者としての独立と挑戦

1982年、林氏はソロ奏者として独立。独自の音楽性を追求し始めます。1984年には、オーケストラ曲『交響的変容』で、和太鼓ソリストとして初めてカーネギー・ホールで演奏するという快挙を成し遂げました。この成功を機に、世界各地のオーケストラとの共演や、ソロコンサートなど、国際的な活動を積極的に展開していきます。

英哲風雲の会

若手和太鼓奏者と組んだ「英哲風雲の会」というユニットでの活動も行っています。1995年のテレビCM出演者から選抜されたメンバーがルーツとなっており、次世代の育成にも力を注いでいます。

教育活動と受賞歴

洗足学園音楽大学で客員教授を務め、後進の指導にもあたっています。2013年には出身地の庄原市より市民栄誉賞、2022年には福岡アジア文化賞大賞、秋の叙勲で旭日小綬章を受章するなど、その功績は広く認められています。

著書

『あしたの太鼓打ちへ』晶文社、1992年
『太鼓日月 独走の軌跡』講談社、2012年
* 『あしたの太鼓打ちへ 増補新装版』羽鳥書店、2017年


林英哲氏の音楽は、伝統と革新が融合した、他に類を見ないものです。その情熱的な演奏と、飽くなき探求心は、これからも多くの人々に感動と勇気を与え続けるでしょう。

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