林茂助

林 茂助（はやし もすけ）

林茂助は、1895年4月29日に山形県鶴岡母町に誕生した日本の化学者であり、理学博士として多くの業績を遺した人物です。東京工業大学で名誉教授を務め、鶴岡工業高等専門学校の初代校長としても知られています。

略歴

• - 生育と学び

林茂助は初代鶴岡市長である父、林茂政のもとで育ちました。1913年に荘内中学校を卒業し、同時期には将来の著名な化学者、相良守峯と同級生でした。1913年には荘内中学校を卒業し、1920年に東北帝国大学理学部化学工学科を卒業。その後、三井鉱山に入社しました。

• - 学問の研鑽

1928年には、東北帝国大学から理学博士の称号を取得し、その後はスイス、ドイツ、イギリス、アメリカで留学をし、知識と技術を深めました。留学後、東北大学で講師として勤務した後、1930年に東京工業大学の染料化学科に助教授として迎え入れられます。その後、教授に昇進し、1956年に退官するまで多くの学生を育てました。

• - 教育の発展と業績

退官後は、有機合成化学協会の会長として活動し、東京工業大学の名誉教授に就任します。また、1963年からは鶴岡工業高等専門学校の初代校長として新たな教育機関の設立に尽力し、1971年までその職にありました。彼の功績は、高等専門学校の教育環境の整備と化学の発展に大きな影響を与えました。

• - 晩年と死去

林茂助は1990年10月4日に逝去し、享年95歳でした。彼の長い人生は、科学と教育に捧げられ、多くの後進の育成に寄与しました。

栄典

二つの顕著な賞を受けた林茂助は、1960年に藍綬褒章を、1971年に勲二等瑞宝章を受賞しました。また、逝去の年には正四位の位を贈られるなど、その功績と影響力が認められました。

著作物

彼は多くの著作を残し、特に科学分野での貢献が評価されています。1940年には『毒ガス化学』を共立社から発刊し、その後も1984年には『林茂助先生米寿記念録』を発表しました。また、1954年には共著として『酢酸繊維並びに合成繊維用染料』を上下巻にわたって技報堂から刊行しました。

家族と親族

林茂助の家族は、科学や公共事業に大きく関わってきた背景を持っています。祖父は庄内藩士の林茂明、父は初代鶴岡市長で活躍した林茂政です。彼の叔父や従兄弟も、刀剣鑑定や賃貸事業などさまざまな分野で名を成しました。孫である林茂信は、音楽活動を通じて新たな形で林茂助の名を引き継いでいます。

参考資料

彼の業績や生涯は多くの文献に記録されており、特に『庄内人名辞典』や各種官報での叙任内容により、彼の影響力が浮かび上がります。

関連項目

林茂助の業績は、化学の発展に寄与した数学者や化学者の中でも特に注目されるべきです。

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