相良守峯

相良 守峯（さがら もりお）

相良守峯は、1895年4月14日に山形県鶴岡市で生まれ、日本の独文学者として広く知られる存在です。彼の幼名は鈇太郎ですが、誤って鉄太郎と呼ばれることが多かったため、23歳のときに守峯と改名しました。東京大学名誉教授である彼は、文化勲章や勲二等瑞宝章を受章し、鶴岡市の名誉市民第一号の栄誉にも輝いています。

経歴の概要

相良は、鶴岡市の守一の長男として生まれました。彼の家系には著名な先祖が多く、清河八郎や齋藤磯雄とも縁がありました。学問の道に進み、1913年に荘内中学校を卒業後、大正6年に第四高等学校を卒業し、1919年には坪田譲治、亀尾英四郎らと共に『地上の子』を発刊しました。

その後、1921年に東京帝国大学文学部ドイツ文学科を卒業し、早稲田大学の理工科の講師となり、続いて水戸高等学校や第一高等学校で教授としてのキャリアを積みました。1930年には文部省の研究員としてドイツ、イタリア、アメリカに留学し、帰国後には東京帝国大学で助教授として教鞭を執ります。

独和辞典と業績

相良は、木村謹治と共に編纂した独和辞典は特に有名で、「キムラ・サガラ」として広く知られています。また、大独和辞典の編纂やゲーテの研究にも取り組み、特に『独逸中世叙事詩研究』で1985年に 東京大学から文学博士の学位を取得しています。彼は日本独文学会の創設にも貢献しました。

1947年には東京大学教授に就任し、1969年からは京都外国語大学教授となり、1976年に退職しました。1989年に94歳で逝去し、鶴岡市の禅龍寺に埋葬されました。

栄典・称号

彼は多くの栄典を受け、段階的に位階を昇進し、平成元年には従三位に昇叙されました。また、1934年から1989年にかけて数回の勲章を受章し、文化功労者としても認められています。特に文化勲章は1985年に贈られ、その業績が高く評価されました。

家族と親族

相良の家族も多彩な背景を持ち、彼の妻は上野金太郎の三女であり、兄弟や子孫に心理学者が多いのも特徴的です。彼は、弟の守次が心理学者として活躍し、孫も教授として教育の現場で尽力しています。

著書と翻訳

相良は多くの著書を残し、特に独文学に関する研究が多彩です。『ドイツ文学史』や『ゲーテ事典』などが代表作であり、さらにフリードリヒ・シラーやハインリヒ・フォン・クライストなどの作品も翻訳しています。彼の著作は、ドイツ語教育においても重要な役割を果たしました。

相良守峯は、日本の独文学界における重要な人物であり、その業績は今もなお多くの人々に影響を与え続けています。

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