林鐵元門入

林鐵元門入（はやし てつげんもんにゅう）は、生年不詳ながら文政2年2月29日（1819年3月24日）に没した、江戸時代の囲碁棋士です。家元林家の十世林門入であり、九世林門悦の実子として生まれました。棋力は六段。

元の名は鐵元といい、文化2年（1805年）に二段で林家跡目となり、御城碁に初出仕を果たします。その初陣では、安井知得に三子で中押勝という鮮烈な勝利を飾りました。鐵元には一男一女がいましたが、いずれも早世してしまったため、後継者問題が浮上します。そこで門悦は、本因坊家跡目であった本因坊元丈に頼み、門下であった船橋元美を鐵元の跡目に迎える内諾を得たと伝えられています。

文化11年（1814年）に門悦が死去したことにより、鐵元は家督を継いで十世林門入となりました。その後、六段まで昇段しましたが、文政2年（1819年）に世を去りました。彼の死後、船橋元美が林家を継ぎ、十一世林元美として家元を率いていくことになります。

御城碁においては、生涯で12局を勤め上げました。以下にその戦績を記します。

文化2年（1805年） 三子中押勝 安井知得
文化3年（1806年） 三子中押負 安井仙角仙知
文化4年（1807年） 二子2目勝 本因坊元丈
文化5年（1808年） 二子5目負 安井知得
文化6年（1809年） 先番中押勝 井上春策因碩
文化8年（1811年） 先番ジゴ 安井知得
文化9年（1812年） 先番1目勝 井上因砂因碩
文化10年（1813年） 二子中押勝 本因坊元丈
文化11年（1814年） 二子2目負 安井知得仙知
文化12年（1815年） 先番ジゴ 井上因砂因碩
文化13年（1816年） 先番12目負 本因坊元丈
文政元年（1818年） 先番4目負 安井知得仙知


参考文献

安藤如意、渡辺英夫『坐隠談叢』新樹社 1955年

外部リンク

木石庵「林鉄元（十世門入）」

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