柊野

柊野（ひらぎの）について

柊野は京都市北区にある、鴨川の左岸に位置する地域です。上賀茂地域の西北部にあたるこのエリアは、基本的に周囲に生い茂る柊の木々に由来して名づけられました。さらに、古くは賀茂別雷神社に属していた土地であり、田畑が開かれ発展を遂げた結果、俗に「拓き野」や「新羅野」が現地名として使用されるようになりました。

地域の構成

この地域は主に、旧鞍馬街道近くの上ノ段、雲ケ畑街道近くの下ノ段、両者の中間にある中ノ段、さらに、上賀茂朝露ヶ原町や葵之森町の両町域に分けられます。柊野学区は柊野地域の西北部と、西賀茂地域の中東部を含んでおり、賀茂川を挟んで両岸に広がっています。2010年には4848世帯、合計11754人が居住しているデータがあり、昭和中期から土地区画整理が進むにつれ地域は急速に発展し、新しい住宅地として若い世代の流入が顕著になりました。この流入に応じて、地域の交通の便が求められ、2014年には京都市営バスの新ルートが開通しました。

歴史の展開

室町時代までは、上賀茂神社以北の土地はほとんどが神社の管理下にありましたが、太閤検地によって広大な荘園の多くが没収され、残ったのはわずかな境内地のみでした。17世紀中葉には寺社奉行の許可のもと、柊原新田が開拓され、上賀茂村の枝郷としての役割を果たすこととなります。1700年代には周辺の地名が記載されたことから、柊野村が存在したことが確認されており、1869年には上賀茂村と合併しました。その後、1931年には京都市に編入され、1955年に北区として区分されることとなりました。

教育と地域活動

柊野には地元住民の支援によって設立された京都市立柊野小学校があり、1979年に上賀茂小学校の分校として発足しました。また、教育の質の向上が地域住民からの要望となり、周辺地域からも生徒が柊野小学校に通うようになりました。地域活動としては、8月の第1日曜日に開催される「柊野まつり」があり、地元の団体が参加して賑わいを見せます。今も地域の伝統を大切にしながら進化し続けています。

名所と文化

柊野にはいくつかの名所が存在し、中でも神山は上賀茂神社の北に位置する305.5mの山です。この山は信仰の対象であり、数多くの歌人によって歌枕としても用いられてきました。また、十三石山はその名の通り、かつて特定の年貢が設定されていた山で、地形の重要な要素と見なされています。教会や文化財だけでなく、地域の食文化も豊かである点も注目です。チリツバキという名の美しい花や、柊野ささげという在来作物が地域の特産品として知られています。これらの文化遺産は地域のアイデンティティを形成する重要な要素となっているのです。

まとめ

地域の特色ある環境と豊かな歴史が紡ぐ柊野は、教育・文化・自然が融合した魅力的な地域です。これからもその伝統を受け継いでいくことが重要です。

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