上賀茂

上賀茂

上賀茂（かみがも）は、京都市北区の最北端に位置し、鴨川（賀茂川）左岸、北山通以北に広がる地域です。古くは愛宕郡上賀茂村として存在し、その歴史は賀茂別雷神社（上賀茂神社）の神領として発展してきた賀茂六郷に深く根ざしています。

歴史

上賀茂村は、1931年に京都市に編入されました。それ以前は愛宕郡に属し、1895年の町村制施行により小山村（現在の北区小山あたり）と合併していました。1918年には、小山の一部が京都市上京区に編入されています。

賀茂六郷は、上賀茂神社の神領として長く保護され、その文化的景観を今に伝えています。

名所

上賀茂神社：京都を代表する古社で、世界文化遺産にも登録されています。正式名称は賀茂別雷神社。
大田神社：上賀茂神社よりも古い歴史を持つとされる神社。特に、国の天然記念物に指定されている大田の沢のカキツバタは有名です。
北大路魯山人生誕地：大田神社の南側に石碑が建てられています。2009年には没後50年を記念した除幕式が行われました。
大田の小径：大田神社の北側の尾根を歩く散策路。自然を満喫できます。
深泥池：貴重な動植物が生息する自然豊かな池です。
賀茂季鷹歌碑：大田神社近くの住宅にひっそりと佇む歌碑。江戸後期の歌人、賀茂季鷹の歌が刻まれています。賀茂季鷹は上賀茂神社の神職を務め、「雲錦亭」という文化サロンを主宰しました。
京都市伝統的建造物群保存地区：上賀茂地区は、京都の歴史的な町並みを保存する地区の一つに指定されています。

名物

すぐき菜：江戸時代初期から伝わるカブの一種で、京の伝統野菜として知られています。独特の酸味が特徴で、漬物などに利用されます。
賀茂なす：艶のある暗紫色の丸いナスで、京の伝統野菜の一つ。煮物や味噌田楽に最適です。
やきもち：平仮名で表記されることが多く、粒あんを柔らかい餅で包んで焼いたもの。上賀茂神社門前の名物として親しまれています。

祭礼

幸在祭（さんやれさい）：毎年2月に行われる、男子の元服を祝う祭礼。地域の子どもたちの成長を願います。
葵祭（あおいまつり）：毎年5月15日に行われる賀茂神社の例祭。平安貴族の姿をした行列が京都御所から上賀茂神社へと向かう「路頭の儀」は圧巻です。
上賀茂やすらい祭：葵祭と同日に行われるやすらい祭。小鬼が太鼓や鉦を打ち鳴らし舞い踊り、花傘の中に入ると無病息災になると言われています。
烏相撲（からすずもう）：毎年9月9日に上賀茂神社で行われる神事。神武天皇東征の際に八咫烏が先導した故事に由来し、小学生が相撲を取ります。

地域活動

葵プロジェクト：葵祭に欠かせない二葉葵を地域住民が協力して育てる活動。未来遺産にも登録されています。
上賀茂スクールガード隊：地域住民によるボランティア団体。子どもたちの登下校を見守り、安全を守ります。
上賀茂探検クラブ：地域の魅力を再発見するための親子向け体験企画を実施しています。
自転車ヘルメット着用推進地域：教育機関や保護者会が協力し、自転車用ヘルメットの着用を推進しています。

上賀茂は、歴史と文化、自然が豊かに調和した魅力的な地域です。伝統を守りながらも、新しい取り組みに挑戦する地域住民の活動が、上賀茂の未来を支えています。

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