柏原藩

柏原藩（かいばらはん）

柏原藩は、現在の兵庫県丹波市柏原地域に位置していた藩で、その歴史は織田信長の弟である織田信包の移封から始まります。信包は慶長3年（1598年）に伊勢国安濃津から柏原に移り、3万6000石の藩を設立しました。彼は関ヶ原の戦いで西軍に属したものの、戦後の改易は免れ、大坂城で豊臣秀頼に仕官しました。

信包は慶長19年（1614年）に死亡し、その後は信包の孫の織田信勝が藩主となりました。信勝の時代には治水工事や新田開発が行われ、藩政の基盤が固まるが、彼は嗣子を残さずに1650年に死去し、これにより柏原藩は一度廃藩となり、その領地は幕府の直轄地となりました。

その後、元禄8年（1695年）に新たに織田信休が2万石で藩主として柏原に入部しました。信休は父の信武が精神的な問題で自害する事件により、減封される形で移封されました。その後、信休は財政的な厳しさを乗り越えようと改革を行いますが、大洪水や旱魃などの自然災害に苦しみ、藩内で年貢軽減の訴えが起こりました。さらに藩政は続く財政危機に直面し、要人の解雇や俸禄削減などが実施されましたが、効果は薄れ、1824年には物価高騰を受ける百姓一揆が発生しました。

第5代藩主の織田信守は、奢侈に走り藩政への関心を失い、重税を課すことで領民の恨みを買いました。さらに愛妾を政務に関与させた影響で、藩内は政争や混乱に見舞われ、経済的な混乱も続きました。信守の後、第6代藩主織田信古の代には、藩札の発行による経済混乱が悪化し、1833年には百姓の不満が爆発し、打ち壊し騒動が発生しました。

その後、藩主となった織田信敬は、倹約を重視した藩政改革を実施し、藩校を設立するなど文武を奨励しました。第9代藩主織田信民もその意志を受け継ぎ、改革に取り組みました。

幕末には、信民とそれを継いだ織田信親が尊王攘夷運動に従事し、官軍側に与しました。明治2年には信親が知藩事となり、その後1871年に廃[[藩置県]]により柏原藩は滅亡し、柏原県となります。

織田氏の諸藩では、信雄の系統が柏原藩として残り、他の系統としては天童[[藩]]などが存在しました。また、信長の細かい系譜に伴う他藩との繋がりや歴史的な事件もあり、柏原藩は当時の歴史の中で重要な役割を果たしました。現在、柏原陣屋は国の史跡としてその名を残し、地域の文化財として多くの人々に親しまれています。

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