織田信休

織田信休（おだ のぶやす）

織田信休は、江戸時代前期から中期にかけての大名であり、高長系織田家の4代目にあたります。初め大和国宇陀松山藩の第5代藩主を務め、後に丹波国柏原藩の初代藩主となりました。通称は右近、官位は従五位下壱岐守、山城守、近江守を歴任しました。

生涯

延宝6年（1678年）8月17日、第4代藩主・織田信武の子として江戸で生まれました。元禄3年（1690年）2月15日、第5代将軍・徳川綱吉に御目見えします。元禄6年（1693年）12月23日には従五位下・壱岐守に叙任されました。

元禄8年（1695年）2月5日、家督を相続しますが、その背景には前年に父・信武が「宇陀崩れ」と呼ばれるお家騒動の責任を取り自害したという事情がありました。そのため、8000石を減らされた上で転封を命じられます。同年4月10日、丹波氷上郡、何鹿郡、天田郡内で2万石を与えられ、ここに織田家は、大和宇陀松山藩2万8000石から丹波柏原藩2万石へと移ることとなりました。元禄11年（1698年）4月21日、藩主として初めて領地である柏原へ入る許可を得ました。

柏原藩主となった信休は、柏原村の亀屋田助邸を仮御殿、井尻屋文七邸を仮公儀所として藩政を始めました。正徳4年（1714年）5月27日には柏原陣屋が完成し、落成式を行っています。転封に伴い、信休は従来の国主並の家格を返上することになりました。官位もそれまでの当主は従四位下・侍従まで昇進していたのに対し、以降の当主は従五位下止まりとなりました（織田信憑を除く）。

藩政を行う傍ら、宝永元年（1704年）6月27日には、大和川付替えの御手伝普請を命じられ、信休自身も度々現場を視察しました。正徳2年（1712年）2月2日には、江戸の大名火消（方角火消）を命じられています。

享保7年（1722年）11月29日、信休は柏原において45歳で亡くなり、徳源寺に葬られました。明治維新後、徳源寺は廃寺となり、現在は14代・織田信民までが埋葬されている織田家廟所となっています。

系譜

父：織田信武（1655-1694）
母：智姫 - 徳川光友の養女、広幡忠幸の娘
正室：なし
室：生田氏
次男：織田信朝（1709-1737）
三男：織田信旧（1710-1783）
生母不明の子女
四男：織田長卿
* 四女：郁 - 柳原光綱室、柳原紀光の母

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