柏競馬場

柏競馬場の歴史とその影響

柏競馬場（かしわけいばじょう）は、日本の千葉県柏市にかつて存在した競馬場です。1928年に開設され、当時は千葉県畜産組合連合会が主催していました。競馬場の設立は、千葉市内にあった手狭な競馬場の代替地を求める中で実現しました。

開設当初の繁栄

柏競馬場は、1周1600メートル、幅30メートルのコースを持ち、地方[[競馬]]界では最大級の規模を誇りました。コース形状は四角で、各コーナーは急勾配となっており、直線部分があったのも特徴です。また、当時の最新鋭の馬場や各種設備が導入され、地元の高級洋食店も出店するなど、「日本一の競馬場」として名声を得ていました。競馬開催初日には、3日間で9万人の観客を記録するなど、柏競馬場は繁盛を極めました。

この競馬場の開設には、一つの大きな理由がありました。それは、千葉県が日本の競走馬や軍馬の生産の中心地であったことです。特に、三里塚に存在した宮内省下総御料牧場は、この地の馬産のメッカとしての位置付けを確立していました。競馬場が地域の誇りを示す象徴として設計されたことは明白です。

コース利用の多様化

当初は春秋それぞれ3日ずつしか競馬を開催できなかったものの、1929年には場内を利用したゴルフ場が開設され、競馬のない日にも施設が活用されるようになりました。1933年には、総武鉄道の柏競馬場前駅が開業し、常磐線柏駅からのアクセスも改善されました。

戦中の変化

しかし、戦争の影響により1940年からは「柏鍛錬競馬」が行われ、軍馬の訓練に使われるようになります。1942年に閉鎖し、その後は日本光学（現ニコン）の軍需工場として利用され、柏競馬場前駅も改称されました。

戦後の復活と廃止

1947年に競馬場は再開され、1949年には千葉県営競馬が開催されましたが、競輪の人気に押され、立地条件も悪いため、売上は期待したほど伸びませんでした。結局、1950年の開催を最後に1952年には船橋競馬場に移転し、閉鎖されました。余談ですが、1949年秋には名牝・ヒサトモがこの競馬場で出走し、2勝したという記録が残っています。

現在の跡地

柏競馬場の機能は、後に船橋競馬場に引き継がれ、その跡地はしばらく放置された後、日本住宅公団に売却され、開発が進められました。そして、現在は豊四季台団地という住宅地が形成されています。また、1978年からは当競馬場を記念した「かしわ記念」が開催されるようになり、柏競馬場の名は今でも地域の中で語られています。競馬場の歴史は地元の文化と風土に根付いた重要な一面を占めていると言えるでしょう。

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