豊四季台
団地は、
千葉県柏市に位置する、かつて
日本住宅公団によって造成された大規模な住宅
団地です。
1964年に入居が開始されて以来、多くの住民が生活を営んできました。約4850世帯、1万人以上が暮らすこの
団地の歴史や現状、そして今後の展望について詳しく見ていきましょう。
歴史
この地域は、明治時代初期に政府の方針で開墾が始まった場所で、
小金牧と
佐倉牧の一部を切り開いた土地です。開拓順に数字が振られ、縁起の良い文字を組み合わせた地名が付けられました。その流れで、
初富、
二和、
三咲、豊四季と続いています。豊四季は、その四番目に開拓された地であり、
柏市に位置しています。
かつてこの場所には
柏競馬場がありましたが、
1952年に廃止されました。その後、
日本住宅公団によって大規模な
団地が造成され、同じ
柏市にある光ヶ丘
団地と並ぶ大規模
団地となりました。豊四季台
団地は、1丁目から4丁目まで区分されており、ほとんどが中層住宅ですが、
1987年に建設された高層住宅(豊四季台第二
団地)も2棟存在します。
2004年からは、
都市再生機構(UR)による建て替え事業が始まり、「コンフォール柏豊四季台」として生まれ変わっています。第1次建て替え分は
2008年に完成し、再入居が開始されました。その後も建て替えが進み、一部の土地は民間不動産会社に売却され、
サービス付き高齢者向け住宅、分譲
マンション、分譲戸建て住宅として利用されています。2022年現在も第5次建て替え工事が行われています。
団地の中心部には、1階に店舗が入居する「豊四季台商店街」があり、
スーパーマーケット(ピーコックストア)や地元商店、
郵便局などが営業しています。しかし、居住者の高齢化や生活スタイルの変化により、閉店する店舗も見られるようになりました。ただし、商店街全体がシャッター通りになっているわけではありません。この商店街も建て替え事業の対象となり、店舗のみの区画として再建されました。
近年、
団地では高齢化が深刻な問題となっています。居住者の4人に1人が高齢者であり、
孤独死などの問題も発生しており、自治会が対策に追われています。
施設
団地内には、住民の生活を支える様々な施設があります。
柏市豊四季台近隣センター: 集会施設と市の出張所を兼ねています。体育館や図書館分館は併設されていませんが、体育館は団地隣接地に「豊四季台近隣センター体育館」として存在します。
柏市立図書館豊四季台分館: かつての集会所の隣にあり、近隣センターからは少し離れた場所に位置しています。
柏市立柏第六小学校: 団地3丁目・4丁目の児童が通学します。1丁目・2丁目の児童は柏市立柏第七小学校に通学します。
柏市立柏第三中学校:
団地全体の生徒が通学する中学校です。
浄水施設: URが管理する施設で、団地内の上水道は井戸水を利用しており、その浄水場が団地内にあります。
豊四季台公園: 建て替え事業によって整備された、豊四季台地区で最大の
公園です。
柏豊四季台郵便局: 商店街区画にあり、集配業務は近隣の柏郵便局豊四季台団地郵便集配作業所で行っています。
かつては集会所がありましたが、建て替え事業に伴い2012年に解体されました。
交通
鉄道
柏駅: JR
常磐線と
東武野田線が乗り入れており、
団地からは徒歩12分から20分程度でアクセスできます。最寄駅ではありませんが、
東武野田線豊四季駅も利用可能です。
バス
団地内や近隣には、複数のバス路線が運行しています。
柏01 豊四季台団地循環: 柏駅西口を起点に、団地内を循環する路線です。時間帯によって運行ルートが異なります。
柏41 団地センター経由 高田車庫ゆき(深夜バス): 平日深夜に1本のみ運行される、高田車庫行きのバスです。
その他路線: 団地内の向原住宅バス停には、柏市内循環バスや高田車庫行き、国立がん研究センター行き、柏の葉キャンパス駅西口行きのバスが停車します。
羽田空港リムジンバス:
柏駅西口から羽田空港を結ぶリムジンバスも、向原住宅バス停に停車します。
深夜急行バス ミッドナイトアロー柏: 有楽町駅から柏駅方面へ向かう深夜急行バスが団地内を経由します。
かつては朝の時間帯に頻繁に運行されていたバスも、高齢化による乗客減の影響で減便されています。また、自治会事務所で販売されていた昼間専用回数券も、2021年2月に販売が終了しました。
今後の展望
豊四季台団地は、建て替え事業を通じて新たな住環境へと生まれ変わろうとしています。高齢化という課題を抱えながらも、地域社会の活性化に向けた取り組みが続けられています。今後も住民が安心して暮らせる地域づくりが求められています。
参考資料
UR都市機構|豊四季台地域における長寿社会のまちづくり
豊四季台地区住宅市街地総合整備事業(PDFファイル)
千葉県資料