染谷一雄

染谷一雄（そめたに かずお）は、1912年9月19日に生まれ、1980年11月30日に没した日本の囲碁棋士です。滋賀県出身で、久保松勝喜代名誉九段の門下に入り、日本棋院関西総本部所属として九段にまで昇りつめました。

生涯

染谷は滋賀県神崎郡（現在の東近江市）で、医師である父のもとに生まれました。9歳の時に足が不自由になったことがきっかけで、父から囲碁を熱心に教えられるようになります。京都で腕を磨いた後、1926年に久保松勝喜代に入門し、翌1927年に初段となりました。その後も順調に昇段を重ね、1932年には大手合春期乙組で優勝し、三段に昇段。1939年には四段となっています。

久保松門下では内弟子として1941年まで過ごし、塾頭格として後輩の指導にもあたりました。1943年に五段、1949年に六段と昇段を重ねています。1946年の第4期本因坊戦では、一次予選トーナメントを勝ち抜き、挑戦者決定トーナメントに進出。1回戦で高川格に勝利しましたが、準決勝で木谷實に敗れ、挑戦者決定戦進出はなりませんでした。

1950年の日本棋院と関西棋院の東西対抗戦では、林有太郎に敗れています。その後の関西棋院独立騒動においては、日本棋院との協調路線を支持し、新設された日本棋院関西総本部に所属しました。1953年に七段、1972年には八段に昇段。1963年と1964年には沖縄へ囲碁指導のために赴きました。1979年に引退し、九段を贈られています。引退の翌年、1980年に大阪市の病院で生涯を閉じました。

棋風

染谷の棋風は、重厚で力戦型と評されています。その碁は、厚みを重視し、力強い戦いを挑むものでした。粘り強い棋風で、多くの棋士から一目置かれる存在でした。

参考文献

坂田栄男『囲碁百年 3 実力主義の時代』平凡社 1969年
『現代囲碁大系 4 昭和名棋士集二』講談社 1981年
* 『囲碁年鑑』日本棋院

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