高川格

二十二世本因坊秀格

二十二世本因坊秀格（にじゅうにせいほんいぼう しゅうかく、1915年9月21日 - 1986年11月26日）は、日本の囲碁界の重鎮であり、本因坊戦での9連覇の偉業により名誉本因坊として知られている。本名は高川格（たかがわ かく）で、和歌山県田辺市に生まれた。彼は合理的な大局観を持つ棋風で、特に「流水不争先」を信条としていた。

生い立ちと囲碁の道への歩み

秀格は幼少期6歳頃に囲碁を始め、9歳で棋士を志し東京へ上京。しかし、上京から2か月後に帰郷。その後、1926年に大阪で光原伊太郎五段のもとに入門した。1933年には関西棋院に参加し、才能を開花させた。彼の棋士としてのキャリアは、「天才田中、秀才高川」と称される中で成長していく。1942年には結婚し、その後も棋士としての活動を続けた。

本因坊戦9連覇の偉業

本因坊戦において、秀格は1952年に初めて本因坊位を獲得し、その後1959年までの間に9連覇を達成。特に初の本因坊戦での競争は激しく、多くの名棋士たちとの戦いを制し続けた。第11期と第12期の間には藤沢朋斎や杉内雅男と対峙し、勝利を収めた。これにより、彼は「不滅の金字塔」と称される記録を樹立した。

その他の主要なタイトル

秀格は、本因坊位以外にも数多くのタイトルを獲得した。日本棋院選手権戦、王座、囲碁選手権戦、十段、名人等、多岐にわたるタイトルを獲得しており、中でも1954年には当時の3つの主要タイトルを制したことから「3冠王」とも呼ばれた。また、1968年には名人位をも獲得し、「不死鳥」と呼ばれるほどの名棋士として君臨した。

受賞歴と棋風

秀格はその技術と成果に対して多くの賞を受賞しており、1968年には和歌山県文化賞や棋道賞最優秀棋士賞を受賞した。棋風には流れるような自然さがあり、多くの棋士から尊敬を集めた。また、低段時代の秀栄名人の影響を強く受け、打ち方にはその要素が色濃く見られた。彼の独特のスタイルは、「高川のパンチ」や「タヌキ」の名で親しまれた。

趣味と交友関係

趣味として社交ダンスやゴルフを嗜み、棋士仲間とも親しく交流していた。また、囲碁界だけでなく、将棋界の大山康晴とも親交があり、囲碁・将棋ともに関西から最高峰の棋士が誕生したことは大きな話題とされた。しかし、酒は全く飲めず、初めて本因坊位を獲得した際には酒を無理強いされ急性アルコール中毒で運ばれるというエピソードもある。

晩年と遺産

1984年に白内障手術を受け、1986年に逝去。棋士としての活動はその後の世代にも影響を与え続けた。高川のもとで学んだ弟子たちは、彼の棋風を引き継ぎ、囲碁界の発展に寄与している。生涯で1169局の対局を行い、660勝504敗と名実ともに成功した棋士であった。彼の業績は日本棋院によって称えられ、名誉本因坊有資格者としての地位も与えられた。

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