柚木秀夫

柚木 秀夫

1951年12月18日、埼玉県に生まれた柚木 秀夫（ゆき ひでお）氏は、日本の元プロ野球選手です。左腕投手としてキャリアを歩み、プロでは南海ホークス、そして読売ジャイアンツに在籍しました。選手としては一軍公式戦での登板機会には恵まれませんでしたが、特に巨人では貴重な左腕打撃投手として、チームの練習を支える重要な役割を長年にわたり担いました。

経歴

アマチュア時代

中学時代から投手としてその才覚を示した柚木氏は、中学での実績が高く評価され、野球の名門である前橋工業高校へと進みました。高校時代には、2年生時の1968年に夏の甲子園に控え投手としてチームと共に甲子園の土を踏んでいます。本大会では2回戦（チームの初戦）で智辯学園高校との対戦となり、惜しくも敗退しましたが、この試合でリリーフ投手として甲子園のマウンドに立ちました。3年生の夏には、甲子園出場をかけた北関東大会で準決勝まで勝ち進むも、宇都宮学園高校に阻まれ、甲子園への連続出場は叶いませんでした。前橋工業高校時代の同期には、後にプロ入りしヤクルトスワローズなどで活躍する三塁手の佐野 仙好氏や、捕手の片貝 義明氏らがいました。

高校卒業後、柚木氏は社会人野球の強豪、電電東京に進みます。電電東京では投手としてさらに腕を磨き、特にスリークォーターから投げ込まれるストレートは威力があり、安定したコントロールにも定評がありました。社会人での確かな投球内容がプロ球団の目に留まり、南海ホークスが柚木氏の獲得に動くことになります。

プロ野球時代

電電東京での活躍を経て、柚木氏は1970年のオフにドラフト外で南海ホークスへの入団を果たし、プロ野球選手としてのキャリアをスタートさせました。しかし、プロの世界は厳しく、南海での在籍期間中、柚木氏は残念ながら一軍公式戦での登板機会を得ることはできませんでした。ファームでもなかなか出番がなく、プロ入りからわずか数年後の1974年には戦力外通告を受け、一度はプロ野球選手としての道が閉ざされかけました。

しかし、柚木氏は現役続行を諦めず、同年オフに読売ジャイアンツの入団テストを受け、これに合格。ジャイアンツへの移籍が決まります。ジャイアンツでは選手として登録されましたが、その役割は主に打撃投手でした。特に左投げの打撃投手はチームにとって貴重な存在であり、柚木氏はその長所を活かし、選手の練習相手としてチームを内側から支える重要な役割を担いました。選手登録の身分でありながら、打撃投手として長年にわたりジャイアンツに貢献。一軍の舞台でスポットライトを浴びる機会はなかったものの、多くの主力選手たちが柚木氏の投球を相手に調整を行い、その陰ながらの貢献はチームにとって欠かせないものでした。

詳細情報

年度別投手成績

一軍公式戦出場なし

背番号

プロキャリアにおいて、所属球団と時期によって複数の背番号を着用しました。

南海ホークス: 59 (1971年 - 1974年)
読売ジャイアンツ:
69 (1975年 - 1976年)
89 (1977年 - 1979年)
93 (1980年 - 1987年)
* 114 (1989年 - 1990年)

柚木秀夫氏のプロ野球人生は、一軍での華々しい記録こそありませんでしたが、社会人野球での実力を認められプロ入りし、その後は読売ジャイアンツで貴重な左腕打撃投手として、チームを長きにわたって支え続けたという、ユニークで貢献度の高いものでした。

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