柚木進

柚木進 (ゆき すすむ) のプロ野球人生

柚木進は、1920年9月28日に広島県呉市山手町で生まれ、1997年10月22日に77歳で亡くなるまで、プロ野球選手として多くの人々にその名前を刻んだ。彼は特に南海ホークスのエースピッチャーとして知られ、両リーグ分立後の1951年にはチームを初優勝に導いた実績がある。出演した試合の数々や彼の存在は、多くのファンに記憶され続けている。

野球キャリアの始まり

柚木は、呉港中学に在籍中に野球の才能を示し、1937年の夏大会ではエースとしてチームを牽引した。彼の兄が1934年の甲子園優勝チームの一員だった背景もあり、彼の野球への情熱は強かった。1940年、法政大学に進学し、そこでエースピッチャーとして名を馳せ、1941年には同大学を5度目の優勝に導く。彼の特技はサウスポー特有の鋭い内角速球であり、多くのバッターを苦しめた。

戦争とその影響

しかし、彼の華やかな野球人生は第二次世界大戦によって中断された。彼は応召され、満州国に従軍。その後、ソビエト連邦の捕虜となり、シベリアでの過酷な強制労働を経験し、腰を痛める。その影響で、彼は後年まで突然の脱力感に悩まされることとなった。1947年に帰国し、地元である呉に戻ると、南海ホークスからの勧誘を受けた。

プロキャリアの成功

1948年に南海ホークスに入団すると、彼は新人ながら19勝を挙げ防御率は一位となる。これ以降、彼は7年連続で二桁勝利を達成し、チームの黄金時代を支える存在となった。彼の名声は年々高まり、1951年には防御率第一位の成績を記録し、翌年の1952年には投手三冠を達成、さらには最高殊勲選手（MVP）を受賞するという名誉も手に入れた。特に、彼は19勝を何度も記録しながらも、20勝の壁を越えられなかったことが彼のユニークなキャリアとなっている。

引退後の道

1956年に現役を引退した後は、南海の投手コーチとして再び野球界に戻り、必要な知識と経験を次世代の選手に伝える役割を果たした。投手コーチとして多くの人材を育成し、チームの成功に貢献した。その中には、皆川睦雄や杉浦忠、さらには三浦清弘や新山彰忠といった選手たちも含まれる。1978年には再び投手コーチとして復職し、新人を育てることにも力を注いだ。特に村上之宏を新人王に導いたことで、彼の指導力を再確認させられる結果となった。

最後のステージ

スカウト活動にも力を入れ、運が巡る中で多くの選手を獲得し、新たな才能を発見することに成功した。彼のスカウト人生の中で最も著名な選手は門田博光であり、彼は柚木との出会いによって今の自分があると振り返っている。柚木進の人生は、プロ野球界において一つのレジェンドとして、今もなお語り継がれている。彼の死は多くの人に惜しまれ、彼の業績はこれからも輝き続けるだろう。

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