柳バス

柳バスと中心部ループ線

柳バスは、岐阜県岐阜市において、かつて岐阜乗合自動車（岐阜バス）が運行していたコミュニティバスです。主にJR岐阜駅や名鉄岐阜駅から柳ヶ瀬商店街を結ぶルートで運行されており、地域の交通手段として活躍していました。

もともと柳ヶ瀬は岐阜市の中心市街地でしたが、郊外の大型店舗の進出や名古屋方面への流出により商店街は次第に衰退しました。それでも柳バスの運行により、地域の便益向上や商店街の活性化が期待されました。

運行ルート

柳バスは反時計回りの循環ルートを採用していました。具体的には、JR岐阜駅を出発し、名鉄岐阜駅を経由。さらに長良橋通りを北上して今小町交差点から県道152号を西へ進み、裁判所前交差点から金華橋通りを南下し、再びJR岐阜駅に戻るというものでした。1周の所要時間は約24分で、平日は毎日9時02分から17時02分まで20分間隔で運行されていました。

料金と支払い方法

柳バスは、乗車ごとに100円の均一運賃が設定されていました。また、ICカード「ayuca」や「岐阜市おでかけバスカード」が利用可能で、2008年3月末をもって磁気バスカードの使用は終了しました。

歴史

このバス路線は、2002年9月28日に柳ヶ瀬商店街振興組合連合会の主導で開設され、運行は岐阜バスに委託されました。初期は無料で試験運用を行い、北ルートと南ルートの2つのコースが設けられました。試験期間中の利用者数は、北ルートで55,509人、南ルートで150,266人と多くの人々に利用されました。

その後、2003年3月1日に南ルートが有料化されたことで運行が本格化し、2005年には一部ルートの変更がありました。最終的に、2021年5月6日には運行ルートの名称が「中心部ループ線」に変わり、経路も岐阜市役所新庁舎まで延長されました。しかし、2023年10月31日をもって、この運行は終了しました。

その他の情報

柳バスは有料化以降、試験運用時の利用者数に比べ減少が見られました。この背景には、2008年から続いた車両不足が影響し、一般車両での運行が増加したことも挙げられます。さらに、2023年11月25日から2028年3月31日まで、自動運転の「ギフハートバス」が中心部ループ線とほぼ同じルートを運行する予定です。このことは地域交通の将来に向けた新たな取り組みとして注目されています。

柳バスは岐阜市内において重要な交通手段であったものの、時代や環境の変化に伴いその役割が変わってきました。今後も地域の交通機関の在り方については、継続的な議論が必要です。

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