柳井茶臼山古墳

柳井茶臼山古墳

概要

山口県柳井市にある柳井茶臼山古墳（やないちゃうすやまこふん）は、古墳時代に築造された前方後円墳で、市の歴史を物語る重要な遺跡です。この古墳は、国の史跡に指定されており、出土品の多くが山口県の有形文化財に認定されています。

古墳は標高約68メートルの丘陵の尾根先端に位置し、南東には琴石山が広がっています。柳井から田布施、平生へと続く旧海峡の東口にあり、眼下には美しい瀬戸内海の景色が広がります。この遺跡は1892年に発掘され、その後の調査によって副葬品が出土しました。また、1991年から1995年にかけて、史跡整備のための発掘調査が行われ、その結果が研究に活かされています。

古墳の構造

柳井茶臼山古墳は、前方後円形の形状をしており、墳丘長は約90メートルで、山口県内では第3位の規模を誇ります。この墳丘は、後円部が3段、前方部が2段に築かれており、その大部分は地山を削り出して形成されています。墳丘の東側には造出（出っ張り）があり、斜面では河原石や山石を使った葺石が見られます。また、墳頂には円筒埴輪が140本以上並んでおり、壺形や家形の埴輪も立っています。

周囲には周溝が存在せず、後円部には馬蹄形状の切断溝が確認されています。この切断溝は幅約6メートル、長さ約20メートルです。

埋葬施設

古墳内部の埋葬施設は、後円部の墳頂に2基の主体部が東西に並んでいます。1基は竪穴式石室という構造で、1892年に発掘されました。この石室からは、多数の副葬品が出土しており、特には最大級の銅鏡とされる単頭双胴怪獣鏡が発見されています。他方の1基は未発掘であるため、具体的な内容は不明ですが、粘土槨の可能性があります。この古墳は、4世紀末頃に築かれたと考えられています。

出土品と文化財

柳井茶臼山古墳からはさまざまな出土品が発見されています。特に目立つのは、古墳時代には特に貴重な銅鏡や玉類、武器、農具、埴輪などです。銅鏡は特に注目されており、単頭双胴怪獣鏡は国内最大級のものであり、古墳の政治的な背景を示す重要な証拠とされています。

多くの出土品は、1995年と2007年に山口県の有形文化財に指定され、現在は茶臼山古墳資料館や東京国立博物館、山口県立山口博物館で保管・展示されています。

現在の状態

古墳は1948年に国の史跡として指定され、その後復元整備が行われました。現在では「茶臼山古墳 歴史の広場」として公開され、訪れる人々にその歴史的背景を学び深める場として親しまれています。アクセスも良好で、周囲には駐車場や資料館などの関連施設が整備されており、観光名所としても注目されています。

このように、柳井茶臼山古墳は古代日本の文化や政治の痕跡を伝える重要な遺跡であり、これからも多くの人々にその魅力を伝え続けることでしょう。

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