柳津虚空蔵尊 (登米市)

宮城柳津虚空蔵尊：歴史と文化が息づく古刹

宮城県登米市津山町柳津に位置する柳津虚空蔵尊は、柳津山宝性院と号する真言宗智山派の寺院です。本尊は人々に知恵と福徳を授ける虚空蔵菩薩。

福島県柳津町にも同名の円蔵寺（会津柳津虚空蔵尊）があるため、区別するために「宮城柳津虚空蔵尊」と呼ばれることもあります。

歴史

寺伝によれば、神亀3年（726年）に行基が東国巡遊の際に当地を訪れ、虚空蔵菩薩を刻んだのが始まりとされます。その後、大伴家持が33年ごとの開帳を定め、弘仁9年（818年）には弘法大師が堂宇を現在地に移したと伝えられています。

中世には野火に見舞われることもありましたが、再建を繰り返し、現在に至ります。平成28年（2016年）には開帳が行われました。

境内

境内には、本堂を中心に多くの建築物が点在し、参拝者の心を癒します。

本堂
山門・仁王堂
なで牛
なで寅
子安観音
子育延命地蔵尊
弘法大師堂
稲荷堂
弁天堂
薬師堂
天神堂

鵲橋

小倉百人一首に選ばれた大伴家持の歌「鵲の渡れる橋におく霜の　白きを見れば夜ぞ更けにけり」は、家持が当地で出会った乙女への郷愁を詠んだものとされます。歌にちなんだ鵲橋は、日清・日露戦争の戦勝を記念して明治39年（1906年）に建立され、昭和36年（1961年）に改築されました。2003年（平成15年）に津山町の文化財に指定されています。

2019年の台風19号で崩落しましたが、再建されました。

天然記念物

境内には、樹齢数百年の巨木がそびえ立ち、訪れる人々を圧倒します。1994年（平成6年）には、以下の木々が津山町の天然記念物に指定されました。

ケヤキ（推定樹齢400年）
杉並木（推定樹齢500年）
カヤ（推定樹齢300年）
* イチョウ（推定樹齢400年）

台風19号からの復興

2019年の台風19号（令和元年東日本台風）では、登米市内各地で甚大な水害が発生し、柳津虚空蔵尊もその被害を受けました。しかし、市内外からのボランティアの協力により、復旧作業が進められました。


柳津虚空蔵尊は、長い歴史の中で人々の信仰を集め、多くの文化財や自然に恵まれた場所です。訪れる人々は、その荘厳な雰囲気の中で、心静かに過ごすことができるでしょう。

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