真言宗智山派

真言宗智山派の概要

真言宗智山派（しんごんしゅうちさんは）は、日本の仏教における重要な宗派のひとつであり、そのルーツは弘法大師空海にまで遡ります。この宗派は、真言宗の中でも特に新義真言宗と呼ばれる派に属します。この理念を受け継いだ興教大師覚鑁（1095年 - 1144年）が開祖とされており、智山派は彼の教えを基に発展を遂げてきました。

歴史的背景

この宗派の歴史は、根来山の智積院の創立に始まります。智積院は、もともと根来寺の塔頭であり、南北朝時代に設立されました。覚鑁はその教義の対立から高野山を離れ、1130年には大伝法院を創建しましたが、さらに1150年、彼はこの大伝法院を根来山に移し、新義真言宗を樹立しました。

天正13年（1585年）、根来寺は豊臣秀吉によって焼き討ちに遭いますが、当時の住職であった玄宥は弟子たちを連れ西へ向かい、高野山に避難しました。智積院の再興運動を進めた彼は、慶長6年（1601年）に徳川家康から新たな寺領を賜り、智積院を復興させることに成功します。

更に、同じく家康から隣接地で豊臣家ゆかりの禅寺である祥雲寺の土地も得たことで、智積院の規模は大きくなり、五百佛山という山号を持つようになりました。その後、智積院は根来寺の名称を正式に採用し、発展を続けます。

明治以降の変遷

明治時代に入ると、明治政府の宗教政策により、智山派も他の真言宗の派と合同を強いられましたが、1900年に独自の教団として再整備され、新義真言宗智山派として再出発しました。さらに1941年には古義真言宗と新義真言宗が合同し、大真言宗が成立しましたが、戦後には再び独立して現在の真言宗智山派として存在しています。

信仰と教義

真言宗智山派の信仰の中心には、金剛界大日如来が位置し、教義の実践においては金剛界曼荼羅と胎蔵曼荼羅を重要視しています。宗紋としては桔梗紋が使われています。智山派では、精進信仰を重視し、仏教の教えに基づいた教義が信者に伝えられています。

総本山と関連の寺院

智山派の総本山は智積院（京都市東山区）であり、別院や大本山、別格本山の寺院も存在します。具体的には、成田山新勝寺（千葉）、金剛山平間寺（神奈川）、高尾山薬王院（東京）などがあります。また、宗立の教育機関として大正大学や智山専修学院があり、信者の教育を進めています。

結論

真言宗智山派は、日本における仏教の重要な位置を占めており、その教えと歴史は多くの信者によって受け継がれています。独自の教義と実践を基に、智積院を中心に今もなお活動を続けています。

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