柳澤鉉

柳澤鉉

柳 澤鉉（リュ・テクヒョン、朝: 류택현、1971年10月23日 - ）は、大韓民国出身の元プロ野球選手（投手）であり、現在は野球指導者として活動している。現役時代は韓国プロ野球（KBO）のOBベアーズおよびLGツインズに所属し、主にリリーフ投手として長年にわたり活躍した。

経歴

プロ入りからOB時代

東国大学校を経て、1994年にドラフト外でOBベアーズに入団し、プロキャリアをスタートさせた。しかし、OBベアーズ在籍期間中は、チームの主力として目覚ましい成績を残すには至らなかった。1998年のシーズン終了後、彼は金湘昊と共に現金1億ウォンという条件で、LGツインズへのトレードが発表された。

LGツインズでの躍進

1999年にLGツインズへ移籍した柳澤鉉は、キャリアの転換期を迎える。LGでは、主に試合中盤からのリリーフや、左打者に対するワンポイントとして重要な役割を担うようになった。移籍後初めてプロでの勝利を挙げ、2000年には自身初となるホールドも記録。リリーフとしての適性を見出し、ブルペン陣の中核を担う存在へと成長していった。

キャリアの絶頂期の一つと言えるのが2007年シーズンである。この年、彼は23ホールドを記録し、見事ホールド王のタイトルを獲得。リーグ屈指のセットアッパーとしての地位を確固たるものにした。その勢いは止まらず、2009年には韓国プロ野球史上初となる個人通算100ホールドという金字塔を打ち立てた。これは、当時のKBOにおけるリリーフ投手の歴史を塗り替える偉業であった。

困難と復活

順調にキャリアを重ねていた柳澤鉉だが、2010年に肩の故障に見舞われる。医師からはトミー・ジョン手術が必要と診断され、本人はこの怪我を機に球団を離れることを決断。自身でリハビリに取り組み、再起を目指した。過酷なリハビリを経て、2011年には再びLGツインズとの契約を果たし、プロのマウンドへとカムバックを果たした。これは、彼の野球に対する情熱と強い意志を示す出来事であった。

記録更新と引退

復帰後もリリーフとして貢献を続け、2012年には曺雄天が保持していた韓国プロ野球における個人通算最多登板試合数の記録を更新。現役最年長クラスの選手となってもなお、ブルペンの一角としてチームを支えた。この頃、彼は李鍾範の引退後、崔香男、崔東秀と共に現役最年長選手の一人として注目された。2013年には鄭ウラムの持っていた通算ホールド記録も一時的に更新したが、その後再び鄭ウラムらに抜き返されている。

キャリア晩年は登板機会が減少傾向にあったものの、2014年には韓国プロ野球史上初の個人通算900試合登板という歴史的な記録を達成。しかし、同年シーズン途中の43歳で、長きにわたる現役生活に終止符を打つことを発表し、多くのファンに惜しまられながらマウンドを降りた。

引退後

現役引退後は、その豊富な経験を活かし、野球指導者としての道を歩み始める。古巣であるLGツインズをはじめ、KTウィズ、起亜タイガースといったKBO球団でコーチを歴任。2024年からは、SSGランダースのコーチとして新たな指導の舞台に立っている。

余談ではあるが、彼が保持していた韓国プロ野球の個人通算最多登板試合数の記録は、引退から7年後の2021年6月30日、鄭ウラムによって更新されている。

プレースタイルと人物

特にLGツインズでのキャリアの大半をブルペンで過ごし、タフなリリーバーとして知られた。晩年には投球内容が不安定になる場面も見られ、同僚のブルペン投手と共に「放火犯（방화신기）」と揶揄されることもあったが、その献身的な姿勢と長寿ぶりは多くの選手から尊敬を集めた。冷静沈着なマウンド捌きと、豊富な経験に基づく投球術が彼の武器であった。

詳細情報

• - 出身校: ソウル道谷初等学校、信一中学校、徽文高等学校、東国大学校
• - 背番号: 28 (1994-1997), 31 (1998), 60 (1999), 14 (2000-2010, 2013-2014), 90 (2012), 99 (2015-2022), 89 (2024-)

彼のキャリアは、韓国プロ野球におけるリリーフ投手の可能性を広げ、多くの記録と共に記憶されている。指導者としても、後進の育成に力を注いでいる。

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