柴原和

柴原 和（しばはら やわら）

柴原和は、1832年3月9日、播磨国龍野藩に生まれた幕末の志士で、明治時代には新政府に仕官し、様々な重要な役職を歴任しました。彼は特に初代千葉県令として知られ、近代日本の発展に寄与しました。

幼年期と教育

彼は龍野藩の下級武士である柴原左五七の家に生まれ、家には６人の兄弟がいました。幼少期には同藩の梅原松之助の養子となったものの、養父との摩擦により離縁されます。しかし、その後は藩から才能を評価され、江戸や京都、大坂などでさまざまな著名な学者たちに学ぶ機会を得ました。このような環境で学んだ知識と精神は、後の彼の行動に大きく影響を及ぼしました。

脱藩と尊王攘夷運動

安政3年（1856年）には藩校の塾長に抜擢されますが、3年後には脱藩し京都で尊王攘夷運動に参加しました。この時期、彼は森田節斎の塾で塾頭として指導にあたり、広くその名を知られるようになります。しかし、元治元年（1864年）には幕府によって一時的に教職を離れ、再び龍野に戻ります。このような出入りの激しい生活は、彼の活動や考えに多くの影響を与えました。

明治新政府での役割

明治2年（1869年）には新政府に召集され、元来佐幕派である龍野藩を恭順に導く役割を果たし、甲府県大参事に任命されます。その後も役職が変わりながら、旧藩 territorioの管理と新政府による体制の構築に貢献しました。

1871年には上総国宮谷県に転任し、その後木更津県にも関与。最終的に明治6年（1873年）に千葉県の初代権県令に就任し、以降は多くの近代化政策を進めていきました。彼の統治の元で、千葉県会が設置されるなど、政治と行政の基盤が整えられました。

知事としての改革

柴原は県の発展を促すため、文明開化や殖産興業政策を積極的に推進しました。茶の栽培や養蚕業の奨励に取り組んだほか、公共施設の整備にも注力。特に育児支援政策には力を注ぎ、乳幼児とその母親を登録させ、専門の担当官を置いて育児を支援する体制を整えました。その活動は「三賢令」と称され、全国的にも高く評価されました。

最晩年

その後、明治13年（1880年）には元老院議官に任命され、明治19年（1886年）には山形県知事に就任。さらに香川県知事としても重要な役割を果たしましたが、明治24年（1891年）、60歳であることを理由に職を解かれます。彼の任期が短いことで県民が失望したとの報道も見受けられました。

そして、明治27年（1894年）には貴族院議員に勅選され、晩年まで公的な職責を全うしました。1905年、74歳で生涯を閉じ、正三位勲二等旭日重光章が贈られました。彼の墓は故郷の兵庫県たつの市にあります。柴原和の功績は、明治という激動の時代における日本の近代化に大きな影響を与えたと言えるでしょう。

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