柴田實

柴田實（しばた みのる）

日本の歴史学者であり、京都大学名誉[[教授]]の柴田實は、1906年1月11日に京都市下京区で生まれ、1997年3月16日に生涯を閉じました。専門は日本文化史、民衆史、精神史であり、特に大津宮の研究や中世庶民信仰の研究でその名を知られています。また、石門心学の柴田鳩翁の曾孫としても知られ、明倫舎主を継承し、石門心学に関する多くの著述を残しました。

生い立ちと学歴

柴田實は、京都府立第一中学校を経て第三高等学校に進学しました。1925年に同校を卒業後、京都帝国大学文学部史学科に入学し、三浦周行と西田直二郎の指導を受けました。1930年に同大学を卒業し、歴史研究の道を歩み始めました。

研究者としてのキャリア

1930年、柴田實は京都帝国大学文学部副手として採用され、1932年には助手に昇格しました。戦後の1946年には助[[教授]]となり、1950年には京都大学分校（後の教養部）教授に昇進しました。1963年から1965年まで京都大学教養部長を務め、1969年3月に京都大学を定年退官し、名誉[[教授]]となりました。その後、同年4月より関西大学文学部教授として教鞭を執りました。また、1970年からは財団法人元興寺仏教民俗資料研究所人文科学室長を務め、1976年には佛教大学文学部教授に就任し、1987年に退職するまで、教育と研究に尽力しました。

受賞と栄典

柴田實は長年の研究活動が認められ、1976年11月に勲二等瑞宝章を受章しました。

研究内容と業績

柴田實の専門は、日本文化史、民衆史、精神史であり、その研究は多岐にわたります。特に、大津宮の研究や中世庶民信仰の研究においては、独自の視点と緻密な分析で注目を集めました。また、石門心学の継承者として、その思想と歴史に関する研究にも力を注ぎました。さらに、京都市史の編纂にも深く関わり、戦前・戦後の京都市史の編纂事業に大きく貢献しました。

著書

柴田實は、多くの著作を世に残しました。

『柴田實著作集』（全3巻）法藏館 1984
『日本文化史研究』編 星野書店 1944
『京の民家』清水一共著、符川寛撮影、淡交新社 1962
『鳩翁道話』柴田鳩翁著、校訂、平凡社東洋文庫 1970
『日本文化史論』(日本民俗文化大系 10) 西田直二郎共著、講談社 1978
『宮中・京中・山城国』(神道大系 神社編 4) 出雲路敬直共校注、神道大系編纂会 1992

これらの著書は、彼の研究成果を広く社会に伝えるとともに、後世の研究者たちに大きな影響を与えています。

記念論集

柴田實の古希を記念して、『日本文化史論叢 柴田実先生古稀記念』が刊行されました。これは、彼の学問的業績を称えるとともに、その人格を偲ぶものです。

参考文献

京都民俗学会事務局（編）「柴田實先生を偲んで 柴田實先生略歴」『京都民俗 Bulletin of the Folklore Society of Kyoto : 京都民俗学会会誌』第15号、京都民俗学会、1997年、3-6頁。

関連事項

心学

柴田實は、日本の歴史学界において多大な貢献を果たし、その研究は今日においても高く評価されています。彼の遺した業績は、今後も日本の歴史研究に大きな影響を与え続けるでしょう。

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