柴田徳次郎

柴田 徳次郎とは

柴田 徳次郎（しばた とくじろう、旧字体：柴田 德次郞）は、明治23年12月20日に生まれ、昭和48年1月26日に83歳で亡くなった日本の保守思想家であり教育者です。彼は経済学博士の学位を取得し、国士舘の創立者として長きにわたり理事長や学長を務め、多くの学生に影響を与えました。また、その功績により正四位と勲二等瑞宝章を授与されています。

幼少期と教育の道

福岡県那珂郡別所村、現在の那珂川市別所に生まれた柴田は、父の破産によって困難な環境で育ちました。家計が厳しい中、彼は周囲の支援を受けて教育を受けるために上京し、16歳で正則英語学校に入学します。彼は新聞配達をする傍ら、学業に励み、芝中学校へ編入することに成功しました。

その後、彼は学問を深めるために旧制第二高等学校を受験しましたが、残念ながら二度の不合格に終わりました。1912年には早稲田大学専門部に入学し、在学中に緒方竹虎や中野正剛、中山博道らと出会い、彼らの思想に触れることになります。

国士舘の創立

彼の教育界での足跡は、1917年に設立した国士舘に象徴されます。これは大民団の私塾としてスタートし、1919年には財団法人としての体制を整え、高等部も設立されました。国士舘は、彼の教育に対する情熱と理念を実現するための舞台となり、その後の彼の人生において中心的な役割を果たしました。

政治的困難と大学の発展

柴田は1946年に公職追放を受けるものの、1953年にはこの制限が解除され、新たな活動を展開します。1958年には国士舘大学の体育学部を開設し、次世代の教育者やリーダーの育成に注力しました。彼の理念は、吉田松陰や佐倉惣五郎の思想に影響されており、国士舘の教育方針にも反映されています。

私生活と影響

柴田には三人の娘がいましたが、その中の一人の夫である安高武は国士舘大学の常務理事でした。しかし、彼と柴田徳次郎の息子である柴田梵天の間には、大学の管理運営をめぐって激しい対立があり、1983年には悲劇的な事件、梵天派の大学OBによる刺殺事件が発生しました。これは国士舘大学の内紛の一面を示しています。

著作活動

柴田は多くの著作物を残しており、特に教育と思想に関する書籍が知られています。代表的な著書には『国士舘と教育』（1926年）、『革命は如何にして起こるか』（1964年）、『日本はこうすれば立直る』（1964年）などがあります。また、彼は国士舘の校歌や学徒吟も作詞するなど、文化的な貢献も行いました。

最後の時

1973年1月26日、柴田は83歳でこの世を去りました。彼の墓所は、国士舘大学世田谷キャンパス内に位置しており、彼の功績は今なお多くの人々の心に残っています。柴田徳次郎の思想や彼が築いた教育機関の影響は、今もなお多くの学生や教育者に受け継がれています。

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