柿坪正義
柿坪正義(かきつぼ まさよし、
1907年 - 1997年)は、日本の外交官として、その生涯を国際社会での活躍に捧げました。
兵庫県加古川市出身の柿坪は、外交官としての卓越した能力と国際感覚で、数々の重要な役職を歴任しました。
生い立ちと学歴
柿坪は、姫路市立姫路商業学校(現在の
兵庫県立姫路商業高等学校)在学中、同級生の
黒田俊夫(後の
日本大学人口問題研究所名誉所長)と共に東京商科大学(現在の
一橋大学)への進学を目指しました。見事同大学に進学した柿坪は、在学中に文官高等試験に合格するという快挙を成し遂げ、1932年に大学を中退し、
外務省に入省しました。彼の学問に対する情熱と卓越した能力は、早くからその才能を示していました。
外交官としてのキャリア
外務省入省後、柿坪は
ケンブリッジ大学への留学を経験し、国際的な視野を広げました。その後、
大東亜省南方事務局事務官、
自由インド仮政府一等書記官などを務め、第二次世界大戦後の日本外交を担う中心人物となっていきました。
戦後は、
外務省情報文化
局長として情報発信を担い、その後は国連
政府代表部大使として国際連合での外交活動を指揮しました。さらに、駐
パキスタン特命全権大使、駐
アラブ連合共和国特命全権大使、駐
スイス特命全権大使といった重要な外交ポストを歴任しました。これらのポストを通じて、柿坪は日本と諸外国との友好関係の構築に尽力しました。また、国連アジア極東経済委員会研修所長、国連アジア経済開発研修所長として、アジア地域の経済開発と人材育成にも貢献しました。1978年には、その長年の功績が認められ、勲一等瑞宝章を受章しました。
人物と功績
柿坪正義は、単なる外交官としてだけでなく、国際社会の発展に貢献した人物として、その名が記憶されるべきでしょう。彼の外交手腕と国際感覚は、戦後の日本外交において重要な役割を果たし、多岐にわたる分野で活躍しました。その功績は、1997年に叙された
正三位からも、うかがい知ることができます。また、弟の柿坪精吾は通産省官僚で
日東紡績会長を務めました。柿坪正義は、日本の外交史において、その名を永遠に刻む人物の一人です。
柿坪正義の生涯は、日本の外交史における重要な一章を形成しており、その功績は後世に語り継がれるべきものです。