栃木県立美術館

栃木県立美術館：日本の近代美術を彩る9000点のコレクション

栃木県立美術館は、栃木県宇都宮市に位置する美術館です。1972年、日本の近代美術館の先駆けとして開館し、今年で50年以上の歴史を誇ります。全国の県立美術館の中でも6番目に古い歴史を持つ美術館として、長きにわたり地域文化の活性化に貢献してきました。

多彩なコレクション：西洋から日本、そして現代美術まで

同館は、西洋絵画、日本画、版画、彫刻、工芸品など、実に9000点に迫る作品を収蔵しています。そのコレクションの幅広さは、美術館の大きな魅力の一つです。

主な収蔵品には、以下の様な名作が挙げられます。

ジョン・コンスタブル: 「デダムの谷」 (1805-1811年頃) - イギリス風景画の巨匠による、自然の息吹を伝える名画。
コンスタン・トロワイヨン: 「水を渡る牛（帰途）」 (1855-1860年頃) - バルビゾン派を代表する画家による、のどかな田園風景。
クロード・モネ: 「サン=タドレスの海岸」 (1864年) - 印象派の巨匠モネの初期作品。海岸の情景が鮮やかに描かれています。
キキ・スミス: 「私の青い湖」 (1995年) - 現代美術を代表する女性の彫刻作品。
田崎早雲: 「一棹揺山図」 (1884年) - 明治時代の日本画家による、山水画の代表作。
川上澄生: 「初夏の風」 (1926年) - 新版画運動の中心人物による、繊細な木版画。
* 濱田庄司: 「柿釉赤絵扁壺」 (1971年) - 20世紀を代表する陶芸家による、力強い作品。

これらの作品以外にも、国内外の様々な時代の美術作品が収蔵されており、来館者は時代や国を超えた美術の旅を楽しむことができます。

充実した企画展：多様なテーマと多彩な表現

栃木県立美術館では、常設展の他、年間を通して数多くの企画展が開催されています。これまでに開催された企画展のテーマは多岐に渡り、「絵画レッスン阿以田治修のモダニスト・ペインティング」や「オーストラリア・アボリジニの美術“ドリームタイム”へのいざない」、「開館30周年記念クールベ展-自然と女性-」、「色彩と幻想の画家 エミール・ノルデ」など、様々な美術様式やテーマを取り上げています。

企画展は、それぞれのテーマに沿って、館内コレクションの作品や外部からの借作品を展示し、多角的な視点から美術の魅力を紹介します。

美術館の未来：移転計画と更なる発展

長年の歳月を経て、美術館の建物は老朽化が進み、収蔵庫の不足や駐車場の狭さなどが課題となっていました。そのため、栃木県は、栃木県立図書館とともに、宇都宮市内の新たな場所に美術館の移転を計画しています。

移転計画は、老朽化した建物を改修するよりも、より良い環境で美術作品を保存・展示し、来館者に快適な空間を提供することを目的としています。新しい美術館では、より多くの作品を展示できるようになり、より充実したサービスを提供できるものと期待されています。

アクセス

栃木県立美術館へのアクセスは、JR宇都宮駅から関東バスを利用するか、東武宇都宮駅から徒歩でアクセスできます。また、東北自動車道、北関東自動車道からもアクセス可能です。

まとめ

栃木県立美術館は、充実したコレクションと魅力的な企画展を通して、美術を愛する人々にとって貴重な存在となっています。今後の移転計画によって、さらに発展し、地域文化の中心的な拠点として活躍していくことが期待されます。

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