栄橋 (佐久穂町)

栄橋（さかえばし）

栄橋は、長野県南佐久郡佐久穂町高野町に位置し、千曲川に架かる長野県道437号大張北岩水線の橋です。橋長は86.72メートルあり、美しいローゼ橋として知られています。

概要

栄橋という名前は、かつて存在した南佐久郡栄村に由来します。この橋は、佐久甲州街道（国道141号）と小海線羽黒下駅、さらには武州街道（国道299号）を結ぶ重要な役割を果たしてきました。その歴史的価値と土木技術の高さから、土木学会選奨土木遺産に認定されています。

栄橋の最大支間長は45メートルで、戦前に建設されたコンクリートローゼ橋としては最長です。中央のローゼ桁部は、両端の桁部とカンチレバーによって接続されるという特徴的な構造を持っています。また、両岸に立つ4本の親柱は石張りで、尖頭型をしており、県内でも最大級の大きさを誇ります。

形式: 3径間RCカンチレバーローゼ桁+RC桁橋
橋長: 86.72 m
支間割: 20.81 m + 45.05 m + 20.86 m
幅員: 6.0 m
設計者: 中島武

歴史

栄橋の歴史は古く、最初に橋が架けられたのは1891年（明治24年）11月でした。この時の橋は木橋で、橋長104メートル、幅員1.8メートルでした。

その後、1899年（明治32年）4月には、橋長136メートル、幅員3.6メートルの無補剛木吊橋および木橋として架け直されました。さらに、1907年（明治40年）10月には鉄線吊橋へと改修されています。

しかし、度重なる水害により補修や架け替えを余儀なくされたため、1938年（昭和13年）に現在の永久橋が架橋されました。この橋は、地域の交通を支える重要なインフラとして、現在も利用されています。

2002年度（平成14年度）には、長野県内にある他の4つの橋とともに、中島武が設計したRCローゼ桁橋群として土木学会選奨土木遺産に認定されました。これは、栄橋の土木技術における価値が認められたことを意味します。

2012年度（平成24年度）には、橋梁の修繕が実施され、損傷が激しかった底板などが交換されました。これにより、橋の寿命が延び、安全性が向上しました。

栄橋は、その美しい景観と歴史的な価値から、地域住民にとってかけがえのない存在となっています。これからも、地域の発展を支え続けることでしょう。

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