栄研化学

栄研化学株式会社の概要と歴史

栄研化学株式会社（えいけんかがく、Eiken Chemical Co., Ltd.）は、東京都台東区に本社を構える企業で、医薬品、特に臨床検査薬の製造と販売、および検査装置の提供を主な業務としています。国内における大腸がんのスクリーニング検査である便潜血検査では、約60%の市場シェアを有し、さらには欧米やアジア市場にも展開しています。加えて、遺伝子の増幅技術であるLAMP法を開発し、医療の発展に貢献しています。

企業の沿革

栄研化学の歴史は1939年に遡り、当初は興亜化学工業株式会社として設立されました。社名は1940年に興亜栄養化学研究所に変更され、その後1946年に日本栄養化学株式会社と改名します。1949年には日本初の細菌検査用粉末培地であるSS寒天培地の製品化に成功し、この先駆的な業績により同社は臨床検査の領域で基盤を築きました。

1961年には臨床検査部門を開設し、以降臨床検査薬の開発に力を入れることとなります。1969年には創立30周年を記念して現社名の栄研化学株式会社に変更し、1972年には尿検査用試験紙「ウロペーパー‘栄研’」を発売しました。

1987年に便潜血検査用試薬「OC-ヘモディア」を発表し、1990年には東京証券取引所の市場第二部に上場。1998年には新たな遺伝子増幅技術であるLAMP法を開発し、2002年には市場第一部への指定替えを果たしました。2004年以降は事業の国際展開を進め、特にアメリカ市場への便潜血検査用試薬と装置の販売を開始しました。

2005年には委員会設置会社へと移行し、LAMP法を利用した結核の遺伝子迅速検査法の共同開発を国際的な団体FINDと行っています。2006年には大塚製薬との業務提携を発表し、同社からの資本投資を受け、さらなる研究と製品開発への道を拓きました。

最近の2011年には、LAMP法を用いた結核の遺伝子迅速検査用のキットを発売し、同検査分野での存在感を強化しています。

生産拠点

栄研化学は、栃木県の下都賀郡野木町にある野木事業所と、大田原市の那須事業所の2ヵ所の生産施設を持っています。これらの拠点では、医療検査製品を中心に生産が行われており、医療現場へ迅速に供給されています。

主な製品

同社の製品ラインには、便潜血検査用試薬（OCシリーズ）や、免疫血清監査用試薬（LZテスト‘栄研’、E-プレート‘栄研’など）、微生物検査用試薬（ポアメディア、パールコアなど）、尿検査用試薬（ウロペーパー）など多岐にわたります。さらに、生化学検査用試薬や遺伝子検査用試薬も取り扱い、医療の高度化に寄与しています。

社会貢献活動

栄研化学は学術情報誌「モダンメディア」の発行や、黒住医学研究振興財団への助成、さらには大腸がん撲滅キャンペーンの支援など、社会貢献として積極的な活動を行っています。こうした活動を通じて、企業としての責任を果たしつつ、より多くの人々の健康と医療の向上に寄与しています。

このように、栄研化学株式会社は長い歴史と革新的な技術を背景に、臨床検査の分野で重要な役割を果たし続けています。

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