栗塚旭

概要

栗塚旭（くりづか あさひ）は、1937年5月9日に北海道札幌市で生まれた日本の俳優です。彼は身長175cmで、劇団くるみ座出身の男性俳優。1965年にテレビドラマ『新選組血風録』での土方歳三役が当たり役となり、それ以降も活躍を続けています。

幼少期からの移住

栗塚は幼少期に父を亡くし、母もまた彼の中学卒業前に亡くなりました。このため、1953年に教師をしていた兄夫婦を頼りに京都へ移住します。彼は定時制高校に通い、その後全日制へと編入。高校では放送部に所属し、演劇に興味を持つようになりました。特に文化祭で演じた三島由紀夫原作の『邯鄲』での経験が、演劇に対する彼の情熱を強めるきっかけとなりました。

演劇の道へ

高校を卒業後、栗塚は浪人生活を送りますが、大学受験に身が入らず、毛利菊枝が主催する劇団くるみ座に入所することを決意します。1958年には正式に劇団員として活動を始め、次第に演劇の道に深くのめりこんでいきます。初期にはテレビコマーシャルや新聞広告のモデル業をこなしつつ、ラジオのディスクジョッキーも務めました。

映画とテレビドラマでの成功

1964年、栗塚は東映から明智光秀役のオファーを受け、これがきっかけで数多くの東映制作作品に出演することとなります。中でも『新選組血風録』での土方歳三役は、彼にとって生涯の代表作となり、人気を不動のものにしました。この演技によって、栗塚は土方歳三のイメージを強く印象づけました。彼はその役に対して非常に熱心であり、司馬遼太郎からも「あなたが土方歳三だ」と賛辞を受けたエピソードがあります。

多彩なキャリア

1966年からは松竹作品にも出演し、現代劇や他の時代劇でも主役を務めました。1978年には『暴れん坊将軍』シリーズの山田朝右衛門役として、20年近くにわたり出演するなど、栗塚は日本のテレビ時代劇界において重要な存在となりました。また、彼の俳優業に加え、喫茶店「若王子」の経営を行うなど、多方面で活躍してきました。

土方歳三の再評価

2004年のNHK大河ドラマ『新選組！』には土方役の実兄である成次郎役として出演し、世代交代を感じながらも、次世代の俳優たちにアドバイスを送る姿が印象に残っています。2005年には主演映画『二人日和』が高く評価され、各種映画祭でも受賞を果たしました。

愛され続ける存在

2006年以降は再放送などで再評価され、新たなファン層を獲得しました。その様子は新聞で「栗塚旭ブーム再燃」といった記事に取り上げられるなど、彼の名声は今もなお色あせることはありません。2020年には、数十年ぶりに新曲をリリースし、84歳を超えた今でも精力的に活動を続けています。

エピソードと私生活

栗塚は演じる役と自らの性格に対して興味深い対比を持っています。ニヒルでクールな役柄が多い一方で、彼自身は明るく社交的な性格としても知られ、笑い上戸です。また、彼は独身であり、時折その理由についてユーモアを交えた発言をしています。過去の取材では「土方に殉じている」と語る一方で、ただ単に忙しかっただけとも述べています。

現在の活動

2022年には子供の運動障害防止に関連する動画に出演し、近年も新たな活動を展開しています。さらに新選組に関する活動を通じて多くのファンに愛され続けている栗塚旭は、今後も日本の演劇界においてその存在感を示し続けることでしょう。

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