栗山茂

栗山 茂（くりやま しげる）

栗山茂は1886年10月6日に生まれ、1971年2月3日に84歳で他界した日本の外交官であり最高裁判所の判事です。彼の経歴は、外交界と法曹界の両方での顕著な活動で知られています。

略歴

栗山は福井中学、東京府立一中、そして第一高等学校を経て、1913年に東京帝国大学を卒業しました。同年に外交官領事官試験に合格し、外務省に入省します。特に在フランス日本国大使館で一等書記官として務めた際には、フランス語が堪能であり鋭い国際的視野を持つことで評価されました。彼は辛口な論客としても知られ、1919年のパリ講和会議や1921年のワシントン会議では全権委員の随員として参加しました。

1933年には外務省条約局長、1937年には駐スウェーデン大使、1939年には駐ベルギー大使として活躍しました。特に、ベルギー国王がナチスドイツに降伏した際には、国王の地位が将来安泰ではないと予言し、これが日本の新聞に掲載される一幕もありました。戦時中はフランス領インドシナの全権大使随員となりましたが、政治的な状況から退官に至ります。

最高裁判所判事への就任

1947年には裁判官任命諮問委員会の推薦を受けて最高裁判所判事に就任し、その後1954年にはオランダのハーグにある常設仲裁裁判所裁判官にも任命されました。彼の裁判官としてのキャリアは決してスムーズではなく、1949年に最高裁判所における誤判事件が発生し、過料処分を受けることとなります。1956年には定年退官しますが、彼の活動はまだ終わりではありませんでした。

退官後の活動

栗山は退官後も新聞などに積極的に投稿し、裁判制度やその遅れに対する意見を主張していました。特に、再審には新証拠が必要であるとし、上訴には事実認定の非難や量刑不当を根拠にできなくすべきだと提言しました。また、1959年には憲法調査会で裁判所の違憲審査権についての見解を述べ、条約の効力にこれが及ぶことを強調しました。1962年にはジュネーブのILO本会議で条約勧告適用委員に選ばれ、国際法協会第51回総会では会長を務めるなど、その国際的な影響力を持ち続けました。

賞と栄典

栗山はその業績に対して多くの栄典を受けています。1920年には勲六等単光旭日章、1964年には勲一等瑞宝章を受章しました。また、1940年にはダンネブロ勲章グランドクロス、聖オーラヴ勲章大十字章、北極星勲章グランドクロスを授与されています。1971年には肺炎により亡くなりましたが、彼が残した業績は今もなお、日本の法と外交の歴史に刻まれています。

家族

栗山の妻は内藤政挙の娘であり、長男の栗山尚一も外務事務次官と駐米大使を務めるなど、名門の家系の繋がりを持っています。

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