栗良平

栗良平：虚構と真実の狭間

栗良平（くり りょうへい、本名：伊藤貢、1943年 - ）は、日本の作家です。心温まる童話『一杯のかけそば』で知られていますが、その人生は多くの謎と虚偽に彩られています。

生い立ちと経歴

北海道砂川市出身の栗良平は、北海道砂川北高等学校を卒業後、病院職員として10年間勤務しました。退職後、彼は全国各地を旅し、民話を収集する生活を送ります。その後、創作民話作家として、執筆や講演活動を開始しました。

『一杯のかけそば』の成功と転落

1989年、栗が口演し書籍化された童話『一杯のかけそば』は、その感動的な内容が口コミで広がり、大きな話題を呼びました。同年2月17日には、衆議院予算委員会で、当時公明党所属の大久保直彦議員が本書を朗読し、聴衆の涙を誘ったという出来事が、さらにこの作品の人気を加速させました。その後、映画化もされ、一躍時の人となりました。

しかし、その成功の裏で、栗は自称していた「北海道大学医学部卒」の学歴が虚偽であることが発覚します。さらに、滋賀県で寸借詐欺を働いていたことも明らかになり、彼は表舞台から姿を消すこととなります。その後の栗は、1994年に北海道静内町で人妻を誘惑し、1998年まで各地を転々とする生活を送り、その間、詐欺的な行為を繰り返したとされています。

さらなる疑惑と裁判

その後、栗は滋賀県大津市の山中でテント生活を始め、さらに詐欺的な行為を繰り返しました。彼は、大津市にある岩間山正法寺の次女と親しくなりましたが、寺は真言宗醍醐派からの離脱を申し出たものの、総本山醍醐寺はこれを認めず、最終的には裁判となり、最高裁で敗訴するという事態に発展しました。

栗良平の作品

『栗良平作品集』第1 - 3集（栗っ子の会、栗っ子童話シリーズ） 1988 - 1990
『一杯のかけそば』（角川文庫） 1992
『一杯のかけそば』（青冬社） 1992

まとめ

栗良平は、その心温まる作品で多くの人々の心を捉えましたが、その背後には多くの虚偽と詐欺行為があったという複雑な人物です。彼の人生は、成功と転落、そして人間性の二面性を深く考えさせられる教訓を含んでいると言えるでしょう。

関連項目

日本の小説家一覧
児童文学作家一覧

外部リンク

タモリの一言でブーム終焉となった「一杯のかけそば」 - 日刊ゲンダイ 2011年11月9日

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