校式一型試作偵察機

校式一型試作偵察機

校式一型試作偵察機（こうしきいちがたしさくていさつき）は、大日本帝国陸軍が試作した偵察機です。この機体は、所沢陸軍航空学校研究部で開発されたことを名称に反映して「校式」と呼ばれています。

開発の経緯

1918年（大正7年）3月、臨時軍用気球研究会は新しい制式飛行機である制式三号飛行機の設計作業に着手しましたが、実際の機体製作には至らず、このプロジェクトは途中で中止されました。その後、1919年（大正8年）4月には臨時軍用気球研究会が廃止され、新型機の開発は所沢陸軍航空学校研究部によって引き継がれました。

所沢陸軍航空学校研究部は、制式三号の設計を改善・改良し、高機動性の偵察機として発展させるプロジェクトを開始しました。1921年（大正10年）には初めての試作機が完成しましたが、試験飛行中に事故が発生し、機体は大破。これにより、試作機の開発は中止となりました。

機体仕様

校式一型試作偵察機は、木製の骨組みに合板を使用し、さらに羽布で覆われた複葉機です。降着装置は固定脚であることが特徴的です。その設計には、1919年に陸軍航空部補給部所沢支部が国産化した3機のスタンダード H.3練習機の経験が活かされています。

この機体には、ホ式150HPレ型プロペラが装備されており、現在では岐阜かかみがはら航空宇宙博物館に寄託後、収蔵・展示されています。

主な諸元

以下は校式一型試作偵察機の主要な諸元です：

• - 主翼面積: 30.7 m²
• - 全備重量: 1,000 kg
• - エンジン: ホール・スコット 水冷直列9気筒（最大165 hp）×1
• - 最大速度: 160 km/h
• - 実用上昇限度: 3,700 m
• - 航続時間: 2.5時間
• - 乗員: 2名

このような内容から、校式一型試作偵察機は日本の航空史において重要な役割を果たした機体の一つであると言えます。

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