校式試作爆撃機

校式試作爆撃機の概要

校式試作爆撃機（こうしきしさくばくげきき）は、大日本帝国陸軍が所沢陸軍航空学校で計画したものの、実際には製作されなかった爆撃機のことを指します。この機体は、1920年頃に計画され、同時期に開発が進められていた校式二型試作戦闘機と共に研究されていました。しかし、計画は模型の段階で止まり、実機の製作には至らず、最終的には中止されてしまいました。

この爆撃機は、双発の複葉機という特性を持ち、フランスの航空機メーカーの優れた設計要素を取り入れたものとされています。具体的には、コードロン、モラン・ソルニエ、ボアサンといったメーカーの技術が反映されていると評価されています。エンジンはイスパノ・スイザ製で、水冷式のV型8気筒エンジンを使用し、2基が牽引式に配置されていました。このエンジンは、離昇出力が300馬力に達し、異なるタイプの飛行機としての特性を形成していました。

また、機体には固定武装が設けられており、機首部分と主翼直後の胴体上面に旋回機銃座が配置されています。この設計により、攻撃力を向上させることを目的としていたと考えられます。

降着装置は3車輪式の固定脚となっており、このシステムは当時の航空機の標準的な設計に従っていました。機体の詳細な諸元は推定値に基づいていますが、全長は11.0メートル、全幅は18.0メートル、全備重量は3,000キログラムに達します。また、最大速度は180 km/hとなっており、機関銃が2丁装備されていました。

このような設計は、技術者たちの創意工夫の賜物であり、大日本帝国陸軍航空における試作機の中でも特異な存在と言えます。校式試作爆撃機の計画が実現していれば、日本の航空史において新しい章が開かれた可能性もあったでしょう。

諸元

• - 全長: 11.0 m
• - 全幅: 18.0 m
• - 全備重量: 3,000 kg
• - エンジン: イスパノ・スイザ 水冷V型8気筒（離昇300 hp） × 2
• - 最大速度: 180 km/h
• - 武装: 機関銃 × 2

この機体の詳細は、野沢正著『日本航空機総集 立川・陸軍航空工廠・満飛・日国篇』や秋本実著『日本陸軍試作機大鑑』などの文献からも確認することができます。これらの資料は、航空史を振り返る上で非常に貴重な情報源となっています。

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