校條剛

校條剛（めんじょう つよし）

1950年生まれ。東京都荻窪出身の編集者、文芸評論家、作家、そして教育者。

生い立ちと新潮社でのキャリア

1973年に早稲田大学第一文学部仏文科を卒業後、新潮社に入社。『小説新潮』編集部に29年間在籍し、そのうち9年間は編集長を務めました。編集者として、数々の文学賞の創設に携わり、その功績は文学界に大きな影響を与えました。日本推理サスペンス大賞、新潮ミステリー倶楽部賞、小説新潮長編新人賞の創設を主導したことで知られています。

編集者としての手腕は高く評価され、新潮新書編集委員時代には、270万部を売り上げたミリオンセラー『国家の品格』（藤原正彦著）を担当しました。この実績は、彼の編集者としての卓越した能力を示す象徴的な出来事と言えるでしょう。

文筆活動と教育者としての側面

2007年には、『ぬけられますか 私漫画家滝田ゆう』で第20回大衆文学研究賞を受賞。この作品は、彼の文筆家としての才能を世に知らしめるきっかけとなりました。2010年に新潮社を退社後は、文筆活動に加えて、教育者としての道も歩み始めます。2014年度から2018年度まで、京都造形芸術大学（現・瓜生山学園京都芸術大学）文芸表現学科の教授を務め、後進の育成にも力を注ぎました。2019年からは「京都文学賞」のアドヴァイザーと選考委員を務め、文学界への貢献を続けています。

2022年には、免条剛名義で初の小説作品『小説作法の殺人』を発表。長年の編集者経験と、文学への深い造詣が反映された作品として、注目を集めました。

著書

校條剛は、編集者、評論家、作家として幅広い分野でその才能を発揮し、数多くの著書を出版しています。

『ぬけられますか―私漫画家 滝田ゆう』 (河出書房新社、2006年)
『スーパー編集長のシステム小説術 才能なんていらない!』 (ポプラ社、2009年)
『ザ・流行作家 笹沢左保 川上宗薫』(講談社、2013年)
『作家という病』(講談社現代新書、2015年)
『にわか〈京都人〉宣言　東京者の京都暮らし』(イースト新書、2020年)
免条剛『小説作法の殺人』(祥伝社、2022年)小説作品
『富士日記の人びと　武田百合子を探して』(河出書房新社、2023年)

また、以下の書籍では監修を務めています。

『朝5分!読むだけで文章力がグッと上がる本』(永岡書店 ナガオカ文庫、2012年)
誉田龍一『小説を書きたい人の本 コツさえつかめば小説は誰でも書ける!』(新版、成美堂出版、2013年)

参考文献

朝日新聞1992年朝刊「文学賞 賞金1000万円時代」
瓜生山学園「京都造形芸術大学」ホームページ

関連項目

日本の小説家一覧

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