株式会社立大学

株式会社立大学の概要

株式会社立大学（かぶしきがいしゃりつだいがく）は、日本における私立大学の一形態であり、株式会社がその設立主体となる大学のことを指します。この制度は、2003年度に導入され、特定非営利活動法人（NPO法人）や株式会社が学校運営に参加することを認める法律の改正によって成立しました。

背景と制度の成立

それまでの日本では、私立学校法人のみが学校を設立できるとされていました。しかし、2003年に小泉純一郎政権の下、民間企業による学校経営の参入が検討されるようになり、特に構造改革特別区域において株式会社立大学の設立が解禁されたのです。この新制度により、企業は大学や学部を設立できるようになりました。

株式会社立大学は、2004年から具体的に設立が始まりましたが、2007年以降は新たな設置例がない状況です。そのため、今では既存の土台の上に立つ大学が中心となっています。

経済的な課題

株式会社立大学は、私立学校振興助成法の適用外であるため、私学助成を受けることができません。これにより、大学運営に必要な資金を全て自らで賄う必要があり、経済的なリスクを常に抱えることになります。このような状況であるため、設立当初は株式会社立大学として設立されたが、後に学校法人を設立し、転換したケースも少なくありません。

組織運営の利点

それでは、なぜ企業がリスクを覚悟で株式会社立大学を選ぶのでしょうか。それは、株式会社立大学は学生との契約関係が法的に明確であり、教育の提供において競争力を向上させるための差別化を図れるからです。また、文部科学省による監督が緩和されることで、運営に関して自由度が高い点も魅力とされています。

現在の株式会社立大学

日本国内にはいくつかの株式会社立大学が存在します。その中には、LEC東京リーガルマインド大学院大学、デジタルハリウッド[[大学]]、ビジネス・ブレークスルー大学、サイバー大学などがあります。これらの大学は、設立時に株式会社としてスタートし、特定のニーズに応じた専門的な教育を提供しています。

転換された大学

株式会社立大学として設立された後に、学校法人に転換した大学も多く、例えばグロービス経営大学院大学や日本教育大学院大学などがそれに該当します。これらの大学は、経済的および法的な面でのメリットを考慮し、学校法人へと移行しました。

廃止された大学と未来

株式会社立大学の中には、運営の厳しさから廃止される大学も現れています。LCA大学院大学や日本教育大学院大学などは、学生の募集停止や学校法人への転換後に統合されるなど、時代の流れに応じた変化が見られます。今後も株式会社立大学の在り方が社会情勢や教育ニーズに応じて進化していくことが期待されます。

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