株式新聞

株式新聞（かぶしきしんぶん）について

株式新聞は、1949年3月24日に設立され、同年8月15日に初めて発行された証券専門紙です。創刊以来、個人投資家を主な読者としており、証券業界の業界紙ではなく、専門的な情報を提供する媒体として位置づけられています。設立当初から、証券市場に特化した内容で読者の信頼を得てきました。

発行と流通の歴史

株式新聞は、創刊時から紙面での発行が行われており、朝日新聞のネットワークを通じて全国に宅配されていました。朝刊として配布される一方、早刷り版は株式市場の終了後に夕刊として販売され、全国のキヨスクなどで広く親しまれていました。このため、特に駅売りの認知度が高く、東京都内では夕刊専業紙として高い売上を記録しました。1980年代までには月刊の縮刷版も発行されていました。

組織の変遷と市場の変化

歴史的には、東京都中央区日本橋兜町に本社を置いていましたが、1992年には新たに江東区辰巳に自社ビルを建設しました。しかし、1990年代後半に入ると証券専門紙市場の縮小が始まり、特に山一證券の廃業が影響を与えました。同年、日刊投資新聞が廃刊する中、株式新聞はライバルの日本証券新聞をしのぎ、トップシェアを確立しましたが、インターネットの普及によって紙面販売は減少し、2000年に本社が毎日新聞の子会社である東日印刷に売却されました。

2005年にはSBIホールディングス系のモーニングスターが関与し、再度経営の安定化が図られました。2008年には旧株式新聞社がモーニングスターに吸収合併されることとなり、同年11月からは紙面のデザインも見直されました。さらに2013年には有料電子版としての「株式新聞Web」が復活し、日刊紙として週日のみの発行が行われました。

デジタルへの移行

最近の動きとして、2020年にデジタル版への完全移行が発表され、2021年には紙媒体の発行を休止しました。この時、株式新聞事業はモーニングスターからイー・アドバイザーへと承継され、2023年にはウエルスアドバイザーが運営を引き継ぐことになりました。これにより、株式新聞はデジタル時代に対応すべく、時代に合ったサービスを提供することを目指しています。

報道の問題点

株式新聞には過去にいくつかの問題報道もありました。特に2000年5月、当時の内閣総理大臣森喜朗に関する出鱈目な英語の挨拶が報じられ、これに他のメディアが追随しました。後にはその情報の信憑性が疑われることとなり、最終的にはこの情報が創作であることが明らかになりました。

まとめ

株式新聞は長い歴史を持つ証券専門紙であり、時代とともに形を変えながらも、今もなお、多くの投資者に重要な情報源としての役割を担っています。デジタル化が進む中で、新たな展開に期待が寄せられています。

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